鈴木入間には７歳年の離れた姉がいます(仮) (ページ32)

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魔界サバイバル５日目ページ32

次の日も日が昇りきる前に活動を始めた。

村や町があればそこで情報収集をしたい。そのために早くこの森を抜けよう。
一番心配していた水と食料が手に入って本当によかった。

川も見つけられたから川に沿って歩けば森は出られるだろうそう考え僕は歩きながら道を記憶するために滝を中心とした地図を書き始める。

その次の日も同じように川沿いを歩き続けた。その日は、木の一番上まで登り星を確認してみた。

『やっぱり、星の位置が違う…しかも星座が見たことがないものだ。人間界の話は、通じそうにないな…』

しばらく星を眺めていたが夜風が寒くなり始めたので下に降りて寝ることにした。

『さて、今日も歩こうか』

人間界にいたときより確かに睡眠も食事もとれるようになっていたが僕は確実に疲労がたまっていた。

ここ2日間何事もなかったけどこのまま森を抜けれなかったらどうしよう…

疲労がたまると不安に陥りやすくなる。ダメだとわかっていても嫌な考えばかりが頭に浮かび始める。

「お前、弟を見つける前に野垂れ死ぬんじゃねえの？」「あきらめろって」『うっさいな』
「お前は、ずっと夢の中にいるかもしれないだろ？？これは、お前の妄想かもしれない。ありえない話じゃないだろ？」『…』「なァなァ」

ギャー！！ギャー！！

『！！！なんだ』

僕は、茂みの奥の方から聞こえた生き物の声に驚きゆっくりと近づいた。そこには、３羽のカラスより二回りほど大きな鳥が猫のような生き物をいじめているところだった。猫は小さくうずくまり鳥からの攻撃に耐えていた。よく見ると猫は傷だらけで血も出ていた。

僕は、考えるより先にそばにあった木の枝をつかみ茂みから勢いよく飛び出した。

『その子から離れろ！！！』

鳥たちは突然のことに驚き反応が遅れたためすかさず2羽の頭に一発ずつ入れる。
ギャッ！ギュッ！

もう1羽が僕に向かってくるがすぐに地面にたたきつけ、
『早くここから離れろ、それとも今日の夕食になりたいかい？』

そう圧をかけながら言うと3羽はあっという間に逃げてしまった。

はぁ火とか出すタイプの鳥じゃなくてよかった。そう言えば猫は…

振り返るといじめられていた猫はまだうずくまっていた。