古びた本屋 ページ23
?「案内してあげるよ、おいで」
そう言って彼は店の中に入っていった。僕もそのあとを追いかけるようにして中に入った。
中は棚いっぱいに本が詰まっておりその棚に収まりきらなかった本が床に積み上げられていた。おいてある本はどれも古そうなものばかりで中には外国のものだろうか全く読めない文字でタイトルが書かれていた。
?「さぁここだよ。」
本屋の一番奥の隅に案内され、そこの棚には悪魔の本がびっしりと詰まっていた。
驚いた、こんなにあるなんて…
『ありがとうございます』
そういって、僕は本を探し始めた。端から、端までタイトルを見て気になったものを手に取ってみる。やはり、書いてあることはどれも同じだった。
やっぱりないか…
そう落胆していると
?「あんた、悪魔の本なんて探して何するつもりだ」
そう聞かれた。その問いに対して僕は…
『……弟を悪魔に売られた弟を迎えに行くためです』
僕は言ったというより口が滑ったというのが正しいだろうかほぼ反射的に答えてしまった。
?「売られた…?」
『あ、いやその…』
彼の目は見て僕はごまかすのをあきらめた。彼にごまかしは聞かないそう感じてしまったのだ。
そして僕は、これまでの経緯を見ず知らずの彼にすべて話した。
?「ふーん。あんたも大変だな。」
差も当たり前のように言う彼に対して僕は、
『疑わないんですか。ふつうこんな話信じないと思いますけど』
といった。すると彼は先ほどと同じ笑みを浮かべ
?「そんな真剣に話といてよくいうねぇ。まぁ信じたほうが面白そうだし、疑ったところでなんのメリットもないからね」といった。
不思議な人だ…というよりだいぶ変人かもしれない…
?「一つ質問してもいいかい?あんたの弟がもし向こうで楽しく暮らしてたらどうするんだ?
あんたのことも忘れて向こうでの生活を謳歌してたらあんたはどうする?」
『それならそれでいいです。
私は入間、弟が幸せならそれでいい、例えその幸せに私が入っていなくても。
もし、私の存在が邪魔になるのならいっそ死んでしまってもいい。
でも、もしそうじゃないのなら私は何を引き換えにしても弟の元へ行く。
例え眼球をえぐられようとこの身を引き裂かれようと迎えに行きます。』
?「あんた、なんでそこまで弟を守る?」
『私はあの子のお姉ちゃんだから。ただそれだけです』
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作者名:朔write | 作成日時:2022年2月8日 18時