相談 ページ17
〜バラム side〜
入「バラム先生、実は僕相談したいことがあるんです」
そう言った、入間くんはどこか震えている気がした。
最近入間くんがボーとしていることが多いという話はカルエゴ君からも聞いていたし、僕も感じていた。でも、今日は一段と酷い。
入間くんは僕に代わるきっかけをくれた子だ。そして、僕のこの牙を見ても怖がらず信頼してくれた。
だから、悩みがあるなら相談してほしいし、僕ら大人にもっと頼ってほしい。そんな思いから聞いてしまったがほんとは言いたくなかったことではないだろうかと少しだけ不安になっていた。
入「実は、僕にはお姉ちゃんがいるんです」
バ「え?お、お姉ちゃん?」
病気だとかいじめにあってるだとか嫌な想像ばかりしていたから僕は、少し拍子向けしてしまった。
そんな僕をよそに入間くんは早口で話し始めてしまった。
入「はい、7歳ぐらい年は離れてるんですけどすごく優しくていつも僕の頭をなでてくれてたんです。確信はないんですけどすごく優しい…」
バ「ちょっと待ってストップストップ!落ち着いて入間くん」
おいて行かれそうになった僕は、慌てて止めた。
入「あ、す、すみません」
入間くんは、申し訳なさそうに下を向いてしまった。
んー怒ったわけではないんだよな…
バ「謝らなくても大丈夫だよ。ちょっとびっくりしちゃっただけだから。」
でも、なぜ入間くんはこの話をしたのだろうか。それに入間くんの話し方はどこか引っかかった。
少し落ち着いた入間くんに僕は聞いてみた。
バ「入間くん。少し気になったんだけど今お姉さんは一緒に暮らしてないのかい?」
そう聞くと入間くんの瞳が揺れた。あぁこの話の核はここだったか。
しばらく沈黙が続いたが入間くんがおもむろにつぶやいた
入「お姉ちゃんは、僕が3歳の頃に出て行ったんです。多分…」
バ「多分…?」
入「はい…実は僕お姉ちゃんに関する記憶が曖昧で…」
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作者名:朔write | 作成日時:2022年2月8日 18時