重なる影 ページ15
〜入間 side〜
入「これありがとうございました!すごくわかりやすかったです」
バ「そうかい?よかったよ。やっぱり作った絵本を読んでもらえるのはうれしいね」
バラム先生は、この魔界で僕を人間だと知っている数少ない悪魔。
僕がテストで赤点を回避できたのもバラム先生の絵本のおかげだ。
バラム先生は、僕が人間だとわかっても食べることなんてしなくて逆に僕を守るためにサポートをしてくれている。バラム先生との話は、魔界のことが全く分からない僕にとってすごく魅力的で楽しいものだった。だから、テストが終わった後もお茶会をしに準備室にお邪魔している。
バ「はい、魔茶。新しいブレンドをしてみたんだ。ぜひ感想を聞かせてほしくてね」
そう言ってバラム先生は、僕にきれいな青い色をした魔茶を出してくれた。
入「ありがとうございます!すごくきれいな色ですね。ん、おいしいです!!さっぱりした味ですごく飲みやすいです!」
バ「ほんと?よかったぁ。実はこのブレンドこの前入間くんが教えてくれた色の変わる[バタフライピー]を参考にしてるんだ。ほらこれ、入れてみて」
僕は、バラム先生がくれた人間界で言うレモンのような果実を一切れ魔茶に入れた。すると、果実が触れたところから波紋が広がるように紫色に変化していった。
入「すごい!!すごいですよ、バラム先生!!こんなにきれいにできるなんて…」
バ「フフッ喜んでもらえてよかったよ。僕もこんな魔茶があるなんてびっくりしたよ。やっぱり人間は面白いことを考えるね」
バラム先生は、そう言いながら僕の頭をなでた。
バラム先生は、生き物が大好きで傷つけないように撫でまわす癖がある。それのせいで生徒たちの間で悪いうわさが飛び交ってしまってるんだけど…
僕も最初はすごく驚いたけど慣れると驚くことはなくなったし、
何より撫でられるとすごく安心した。
僕は、この感触に覚えがある。温かくて優しいこの感覚は夢の中で感じる感覚と一緒だった。
バラム先生と会うようになってから夢を見る頻度がなんとなく多くなった気がする。
僕は、バラム先生をどこかお姉ちゃんに重ねてしまっているのかもしれない…
124人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔write | 作成日時:2022年2月8日 18時