サクラヒラリ【Yuta＊Toshiya】Part2

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ナナ「あれは･･･2年になったばかりの春･･･。



裕くんとクラスもバラバラになっちゃったリナは



裕くんと話す機会もなくなって



”あの桜の木の公園で会いたい”って書いた手紙を



裕くんの下駄箱に入れて



この桜の木の下で裕くんが来てくれるのを



待ってたの･･･



リナはね、この公園の桜が大好きで



桜の花が咲く春を毎年楽しみにしてたの。



私達はこの桜の木に見守られて育ったような



もんだから、この思い出の公園で



リナは裕くんと一緒に



桜の花を見たかったんじゃないかな･･･。



もしかしたら、裕くんに悩みを打ち明けようと



したのかもしれない･･･



今となってはそれはもう



誰にもわからないんだけど･･･。」




「えっ･･･?」



不思議そうにする私を見て



ナナちゃんは一瞬苦しそうな顔をすると



そのまま前を向いて話を続けた。



ナナ「あの日、リナがどんなに待っても



この公園に裕くんが現れることは･･･なかった。



そのうち、雨が降ってきて



その雨がどんどん酷くなってきて



リナが慌てて帰ろうとした時･･･








背後から車が来て･･･



激しい雨の中、この狭い道は視界が悪くなっていて



リナの姿は見えなかったみたいで･･･






その車は、リナを引いた事に気づかないまま



リナは何メートルも引きづられて･･･






そのまま･･･



帰らぬ人に･･･なって･･･しまったの･･･。」



涙を流しながら話すナナちゃんの横で



私はただ固まったまま、



何も言葉が出てこない。



口に手をあてながら、息をするのもやっとで



涙が止まらない。



ナナ「ひっく･･･っ･･･私、リナに何もしてあげられなかった･･･っ」



泣きながらそう言うナナちゃんの背中を



たださする事しかできなくて･･･



ナナちゃんにかけてあげる言葉が



何も見つからない･･･。



ナナちゃん達に起きた2年前の悲しい出来事。



過去と言うにはまだ浅過ぎて



それぞれが、もがき苦しんでいるのが



痛いほどわかった気がした･･･。

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