サクラヒラリ【Yuta＊Toshiya】Part2

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ナナ「裕くんは、Aちゃんの事迷惑だなんて思ってないよ。」



「でも、俺に関わんな。って言われちゃったし。」



ナナ「それは、きっと…。」



そう言ってナナちゃんは悲しそうな顔で



桜の木を見上げた。



ナナ「この公園はね、私達４人の思い出の場所なの。」



「４人…？」



ナナ「うん…。私にはね双子のお姉ちゃんがいて…



お姉ちゃんのリナと私とトシくんと裕くんは



幼稚園からずっと幼馴染で、よくこの公園で



一緒に遊んでたんだ。




顔はソックリなのに、リナは私と違って



運動神経も良くて、頭も良くて、みんなの人気者で…



私はそんなリナの後ろ姿をずっと追いかけてた。



私は何をやっても上手くいかなくて、



いつも3人に助けてもらってて…




リナは、昔から裕くんが好きで



私は、昔からトシくんが好きで…



でも…裕くんもトシくんも、



2人してリナの事が好きだったんだ…。



トシくんは、あんな感じだから



私の気持ちになんて全っ然気づかなくて、



裕くんは、そんな私の気持ちに気付いてて



ずっと相談にのってくれてたの。



トシくんはね、見た目の通りあのまんま



みんなに優しいんだけどね、



本当は同じぐらい裕くんも優しいの。



ただ不器用なだけで…。



それでも私達４人はずっと仲良しで



毎日が本当に楽しかった。



それが…中学に入って、



裕くんが急にモテ始めてから…



少しずつ変わって行ったんだ…。






裕くんはすぐ人見知りしちゃって



そんな風にモテるようになってからも



あんまり女子とは話したりしなかったんだけど



私とリナとだけはよく話してたの。



リナと裕くんは同じクラスで、



2人とも両思いって事もあって



誰から見ても仲が良い2人で…



リナもあんな性格だから目立ったんだろうね。



だからリナを良く思わない子も、いたみたいで…



その子達から嫌がらせを受けるようになったの。



それでも、リナは裕くんに迷惑かけまいと



平然を装って、私達の前ではずっと笑ってた。




でも…そのうち周りの目を気にするようになって



リナは学校では裕くんとは話さなくなったの。



それでも学校から帰って、家も近所だから



私達は誰かの家に集まって一緒に勉強したりして



その関係は変わらなかったから、



リナが一人で悩んでる事を



誰も、気付かなかったんだ…。」

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