【銀魂】ふわふわな君を。part2・。*

５４話　手掛かり ページ8

貴女side


「お待たせしました―」

『アリアちゃん、あのさ、お母さん居たよね？』

「どういうことですか？」


屋敷から出てきたアリアちゃんをすぐにつかまえた。
新八と共にどういうとだと問うと、泣きそうな顔をした。
まずい、少し強く言いすぎた。


「ご、ごめんなさい…。あれは義理の母で…」

『そ、そっか。ごめん、強く言い過ぎたね』

「じゃあ、本当の母上を捜してーってことか」

「そういうことアルな」


ぎゅうっと握った着物に皺が刻まれる。
面倒くさそうに、銀時と神楽がためいきをつく。


『本当のお母さんって、なんで居無くなっちゃったの？』

「それがわからなくて…。
居無くなってしまったから、父上は、その…」

「複雑ですね」

「あ、でも、母上は持病があって、皆に迷惑掛けるのが嫌でこうなってしまったのかも…」


複雑すぎて胃が凭れそうだった。
持病を患う母が失踪、途方に暮れた父は再婚。
アリアちゃんはその母が忘れられなくて、捜索中。


『銀時、どうしよう』

「どうしようもなにも、手掛かりがねーなら何もできねぇよ」

「手掛かり……あ、母上は桜が好きでした」

『桜……』

「あと、母上が居無くなったのは春で、それと同時に私の簪もなくなって…」


考えても考えても、イイ案はでない。
いや、でるはずもなかった。
銀時の言葉に反応して、アリアちゃんがどんどんそれに繋がる鍵をだしていく。


「置き手紙とか、ないノ？」

「…はい」

『桜って、どの桜でも好きなの？
それとも、ここの桜が好きみたいなのある？』

「きっと…父上と出逢った○○丘の桜が…」


神楽もだんだんと真剣になって来た。
置き手紙が無いなら、少しでも手掛かりを、と。
○○丘の桜、と聞いて私たちは顔を見合わせた。


「『超遠いじゃんんんんんんん！！』」

「江戸こえますね…」

「そこまで行く金が、私たちにないのわかってて言ってるアルか？！」

「ち、ちがいます…！」


○○丘は真面目に遠い。もう何処だってくらい遠い。
銀時のバイクでいくのも定春に乗って行くのも限界がある。


「…母上が居る可能性が1でもあるなら、行きましょう！
私の貯金で！」

「マージでェ？！」

「行きましょう！」「行こウ！」


アリアちゃんの言葉はとてもありがたい。
お願いしますと土下座したいくらい。
だが、はしゃぐ3人をみて思う事はというと。


『子供にお金払ってもらうなんて、カッコつかないわ…』

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