【銀魂】ふわふわな君を。

４２話　お前かよ ページ44

貴女side


「本当にもう大丈夫なんですか？」

『大丈夫よ。ごめんね、心配かけて』


銀時達のおかげで、私の風邪はすっかり治った。
今年ももう終わってしまう為、私は皆揃ってお参りへ来ていた。
少し寒いなと思っていると新八に問われ、私は大丈夫だと言って笑った。


「いーや、大丈夫じゃないアル。これ使うヨロシ」

「なら僕のコレも」

「私のも」

『ちょ、っ…！』


オレンジ色の神楽のおろした髪が揺れた。
神楽は以前私があげた耳当てを、新八は愛用のマフラーを、お妙は手編みの手袋を私につけてきた。
いっぺんに全員にやられ、なにがなんやら解らなくなった。


『ええいっ！大丈夫だって！
私は…アンタ達が風邪引く方が嫌よ。だから自分のは自分で使いなさい』

「…わかったアル」

「俺に任せとけ。お前らのそんなもんが無くっても、俺がコイツを温め―」

『何言ってんのアンタ。寒いわ』

「なにをォォォォォ？！」


プハッとマフラーから顔を出すと、三人を止めさせた。
一つ一つはずし、それぞれに返して笑って言うと、皆渋々言う事を聞いてくれた。
妙に気取った銀時が居て、私は寒い寒いと身を擦った。


「…そんな言うなら、試してみるか？」

『はぁ？あ、皆先に行っちゃ―…？！』

「どうだよ。人も結構ぬくいだろ？」

『な、にを、してんだこの馬鹿！』


銀時はニタリと笑った。
振り返れば呆れた皆が先に行ってしまっていて、コイツに構ってる暇は無かったと歩き出そうとすれば、鎖骨辺りに腕をまわされて。
温かいと思ったが、人が大勢いる中でこんな状態は恥ずかしく、私は身をよじった。


「はいはい暴れんな。デレが無いツンデレさんよォ」

『ツンデレじゃないし！離せって！』

「―クク…相も変わらず、良い瞳じゃねェか…」

『「！！ ま、まさか…」』


私が暴れれば、銀時はよりぎゅうと強く抱きしめて。
前と違いすぎるコイツの行動に戸惑いを隠せないのに、嬉しいと思ってる自分が居て。
好きな気持ちは変わらないが…正直よく解らない。
ギャーギャー言い合ってると、背後から怪しげな声がして、私たちは振り返った。


「俺は壊すだけだ。大江戸青少年健全育成条例改正案を…」

『「お前だったんかいィィィィィ！！」』

「ちょ、ま、いたっ…ツッコミのテンション高杉でしょ〜」


見ると、そこに居たのは晋助じゃなくロリコン野郎で。
大勢の人が居る中、私たちは思い切りドロップキックを喰らわせたのだった。

お前かよ…まあ安心した。

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