36話 クリスマス ページ38
貴女side
『ただいまー』 「お邪魔します」
「A、おかえり!姉御も!」
今日は、子供たちが喜ぶクリスマスだ。
私は今までお妙のキャバクラにヘルプに入り、報酬とクリスマスらしい食べ物などを沢山貰って来た。
実は貯金と報酬でプレゼントを買ってきたのだが、まだ秘密だ。
お妙と二人で家に入れば、神楽が一番に出迎えてくれた。
「お疲れ様です。早速、パーティ始めましょう」
「おっせーな」
「フフ、気が早いわね。新ちゃんったら」
『なにか他にすることあったっけ?』
中へと進めば、新八と銀時が出迎えた。
早くと諭す新八にお妙が笑ったから、私は首を傾げた。
「クリスマスは、これでしょう?」
『うげっ…。私、風邪気味だから止めておく―』
「やりますよね?Aさん」
『…はい』
お妙が出したのは、サンタ服。
キャバクラで着るものだから、兎に角露出が高い。
本気だったのかと、私には似合わないからと、そう思って嘘をつこうとしたが、お妙の脅迫じみた笑顔によって、首を縦に振らざるを得なかった―。
*『いい歳して恥ずかしい…』
「大丈夫アル!Aめちゃめちゃ可愛いネ!」
『ありがと』
「おい何やってんだ。開けるぞ」
『ちょっ、ばか―』
サンタ帽に、胸元の開いた丈の短い紅いワンピース。それにニーハイをプラス。
自分を見るのが兎に角辛い。
お妙と神楽は若く、何より可愛いから良いが、二人と並べば月とすっぽんだ。
気を遣ってくれた神楽に礼を言った時、今まで黙って待っていた銀時の声がし、開けるなと言いかけた時にはもう遅かった。
「……着とけ」
『…ん』
銀時は今の私をジッと見た後、こたつのある部屋から羽織を持ってきて、私に渡してきた。
それを受け取って握りしめ、やっぱりなと溜息をついた。
「無理だ。お前のそんなん、見れたもんじゃねぇよ」
(やっぱりね―)
「俺が酔って暴走したら、責任とれねぇ」
『…え?』
解ってたことを言われるのは辛い。
胸がチクとした時、銀時は手で口元を隠しながらそっぽを向いて、そう言った。
暴走?責任?…え、まさか、理性ぶっ飛ぶとでも言いたいの?
そう思うと、かあっと顔が熱くなった。
『何考えてんだ この変態!』
「銀さんだって男の子ですからァ!」
『くたばれド変態!…もう吹っ切れた!こんなもん着るか!』
バシッと叩くと、銀時は開き直った。
それにムッとして、私は思わず羽織を彼に投げつけてしまった。
やば、他の人も来るのに…!
78人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琉樹 - これもいいんですけど、沖田落ちもいいなって思いました笑笑仕返し??みたいな感じで笑笑 (2019年8月17日 15時) (レス) id: ee45917e2f (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - ルナさん» 温かいコメ、ありがとうございます!忙しく、更新出来る日が減りますが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2014年12月10日 16時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 面白いですね!続きがすごく気になる頑張ってください待ってまーす (2014年12月10日 2時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 恋狂さん» 私は三秒でも五秒でも拾い食いします← これから妙に展開が速かったり、どうでもいい話が混じりますが、どうかお付き合いくださいm(__)m (2014年11月30日 19時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
恋狂 - coco@さん» マー●ルチョコは三秒ルール通用するでしょうか 私はすると信じています……(遠い目) 銀さんが頑張ってくれるということでこれからがもっと楽しみになりました〜! (2014年11月29日 20時) (レス) id: f0c0f1305c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:cocoa | 作成日時:2014年10月1日 21時