33話 バァカ ページ35
貴女side
「……んなに見て、なんだよ」
『…なんか、その…可愛いなって』
「はぁ?!」
後ろから銀時に抱きしめられ、うなじに吸いつかれた。
紅くなって振り向けば、目尻を朱に染め、眉を寄せる彼。
晋助にやられたのかと気づく反面、それが嫉妬だと気づけば、愛しさが増して。
思わずジッと見つめていると、彼に問われ、私が素直に答えれば、彼は目を見開いて声を上げた。
「だーれが可愛いだァ?ああ?!」
『こんな冗談のシルシで妬いて…子供みたい』
「チッ、うっせー。
誰に何言われたって、お前限定で俺は小さい事でも妬くんだよ」
『っ…?!』
銀時の腕の力が緩んだから、私はするりと抜け、向き合った。
彼は少し照れながら怒ってて、私がクスクスと笑えば、皮肉めきながら特別な言葉を言われ。
私は、かあっと顔が紅くなるのが自分でも解った。
「あんだよ、そんなトナカイの鼻みてぇに真っ赤になって」
『うっさい。さ、寒いのよ』
「なんだ、つまんねぇ。俺に惚れたかと思ったのに」
『っ…う、自惚れんな。誰がそう簡単に惚れてやるか ばぁか』
銀時は私の顔を見てニヤニヤしてて、それにムッとして、視線を逸らして嘘をついた。
すると、彼は舌打ち混じりにそう言い、私は冷たい自分の手で熱い頬を冷やしながら可愛くない言葉を吐いた。
―とっくのとうに惚れてるわ。この鈍感馬鹿野郎…。
*『晴太!』
「A姉!ご、ごめんなさい。オイラ勝手に居なくなって…」
『ううん、目離した私が悪いから。無事で、見つかってよかった…』
「A姉…。ごめん、なさい…」
神楽と新八から晴太が見つかったと連絡が入り、私は銀時と共に新八たちの元へ向かった。
私が名を呼ぶと、晴太は目を泳がせながら謝り、それに対して、私は小さな身体をぎゅうと抱きしめた。
微笑して良かったと言えば、晴太は涙をためて抱きついてき、また謝った。
『―月詠のプレゼント買えたの?』
「うん、ばっちり!」
『そう、よかった』
晴太の耳元で、小声で問う。
すると、彼はニカッと笑い、それに安心して私も笑った。
「A、迷惑掛けてすまんかったな」
『全然そんなことないよ。久しぶりに逢えて楽しかった』
「わっちもじゃ。―またな」
『うん、じゃあね。今度は、こっちから遊びに行くからね』
月詠に謝られ、私は立ちあがって返事をした。
彼女は晴太の手を引くと、背を向けてながら手を振ってそう言い、吉原へと帰って行ったのだった―。
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琉樹 - これもいいんですけど、沖田落ちもいいなって思いました笑笑仕返し??みたいな感じで笑笑 (2019年8月17日 15時) (レス) id: ee45917e2f (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - ルナさん» 温かいコメ、ありがとうございます!忙しく、更新出来る日が減りますが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2014年12月10日 16時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 面白いですね!続きがすごく気になる頑張ってください待ってまーす (2014年12月10日 2時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 恋狂さん» 私は三秒でも五秒でも拾い食いします← これから妙に展開が速かったり、どうでもいい話が混じりますが、どうかお付き合いくださいm(__)m (2014年11月30日 19時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
恋狂 - coco@さん» マー●ルチョコは三秒ルール通用するでしょうか 私はすると信じています……(遠い目) 銀さんが頑張ってくれるということでこれからがもっと楽しみになりました〜! (2014年11月29日 20時) (レス) id: f0c0f1305c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cocoa | 作成日時:2014年10月1日 21時