【銀魂】ふわふわな君を。

２話　捕獲 ページ4

貴女side


『どーしてくれんのよ！アンタのせいで逃げちゃったじゃない！』

「あんだと？！どう考えてもテメェのせいだろ、バカヤロー！」

『なんだとコラ！』


田中さんの猫は案外簡単に見つかった。
が、銀時のせいで逃がしてしまい、私は捕獲用の網を彼に向けて振りまわした。
道のど真ん中だが、私は気にしない。


「ったく、そもそも何で俺とお前がペアなんだよ」

『そんなの知らないし』

「もっとこう、可愛げのある女がウチに居ればなァ」

『殺すぞ天パ』


銀時は溜息をついて、頭を掻く。
銀時が私とペアで嫌なのも、私自身可愛げがないのも全部解ってる。
だけど、胸が痛い。
悲しい事に、心の奥深くの感情がバレないようにするのは、慣れたしお手の物だ。


『私だって、紳士的でイケメンな男が良いわよ』


嘘。アンタじゃなきゃ嫌。
それなのに、私の口は心と反対の事を言う。


「ケッ、ほざけ」

『ていうか、神楽達は―』

「にゃあ」

『「…捕獲じゃああああああ！」』


銀時は言う。コイツの場合、本音なんだろうな。
思ってたより自分が乙女なのに嫌気がさした。
他で探す神楽達の話をしようとした時、捜していた猫が現れ、私と銀時は顔を見合わせ、頷いた。
そして、めいっぱい気合いを入れて飛びかかった。


『…あれ？猫じゃない』

「…テメェ等、舐めてんのかァァァァ！」

「ったく、勘弁してくだせェ」

『サドとマヨラーだ』


目を開けると、私の瞳に映ったのは、黒髪の男と茶髪の男。
二人に、頭から網をかぶせてしまった。
マヨラー土方はキれ、サドこと沖田は溜息をついた。


『網なんかに入って、何やってんの？』

「馬鹿なんですか？」

「テメェ等がやったんだろうが！」

『こっちから言えば、アンタ等が邪魔で猫逃がしちゃったんだけどね』


私と銀時は、調子に乗って挑発する。
こういう時だけ、馬が合う。
キレるマヨラーに対し、私は網を下ろしながら言った。


「次は、公務執行妨害で逮捕しまさァ」

『ほざけ、クソガキ』

「おい。コイツ等に構ってねェで、さっさと捜すぞ」

『うん。―…ッ！？』


ニヤと笑うサドに、言い返した。
銀時に声をかけられ、返事をして歩き出そうとすると、右足がズキっと痛んだ。
きっと、捻ったのだろう。


「おい…」

『先行ってて。追いかけるから』

「―わかった」


痛くて、思わずその場にしゃがみこんだ。
眉を寄せる銀時に告げると、ソイツは迷いもせず歩き出した。


(くそ、どうしよ…)

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