【銀魂】ふわふわな君を。

１話　日常 ページ3

貴女side


『起きて、銀時』

「るっせェなァ…」

『起きろつってんだろ このクソ天パァァァ！！』

「んだと クソ女ァァァ！！」


銀時を起こす。
それが私の日課っていうか、仕事だと思う。
初めは優しく声をかけるんだけど、二回目にはもうこんな感じ。
まあ、それで起きるから良いのかも、だけど。


『結野アナの天気予報、始まるけど？』

「退け！テメェみたいなアバズレに構ってられッか！」

『黙れ 焼け野原！』

「俺の頭か？俺の頭を言ってんのかァァァ！？」


銀時は結野アナが大好きで、毎朝必ず天気予報を見る。
正直、痛くてきもい。
互いに売り言葉と買い言葉を吐くものだから、絶対喧嘩っぽくなるのだ。


「シけた飯だな、オイ」

『豪華なモン食えるほど、うちは裕福じゃありません』

「俺の稼ぎが悪いってのか？！」

『ええ、そうよ！』

「うー…うるさいアル。夫婦喧嘩してんじゃねェヨ」

『「神楽！」』


テーブルの上にある私の作った飯を見て、銀時は言う。
マダオに言われたくない事を言われ、カチンときた私は言い返した。
又もギャーギャーと言い合ってると、眠そうに目を擦りながら神楽が起きて来た。


『おはよう。てか、夫婦じゃないし』

「そーだ。こんなアバズレがカミサンだったら、俺は死ぬね」

『だったら今すぐさようなら。私が介錯してあげるわ』

「そりゃ勘弁」

『神楽、早く座って食べな』

「おう！」


溜息交じりに否定する。
正直嬉しかったりするんだけど、銀時の言葉に少し胸を痛めてるのも事実。
私は神楽に言った。


「おはようございまーす」

『おはよ、新八。ご飯は？』

「いえ、まだです」

『そ。じゃ、座って』

全「『いただきます』」


ガラッと戸の開く音と同時に、少し幼さの残る声がする。
新八が来たのだ。
全員ちゃんと座ると、皆で手を合わせて挨拶をした―。


『依頼、こないなぁ』

「こないだの田中さんの猫、結局どうしたんですか？」

『諦めた』

「なら、どうせ暇だし、捜しませんか？」

『そうね―』


今日もまた、そうボヤく。
暇すぎて、前諦めた猫捜索を、またやることになった。


『え、アンタも？』

「ったりめェだろ」

『……』

「“うわ死にたい”って顔してんじゃねェ！
ほら、行くぞ」

『―はいはい』


着替え終わって気づいた。
銀時も来るらしい。コイツは何気に話を聞いてる。
ほら、行くぞ。
そう言って少し笑うコイツを見て胸が鳴る私は、どうかしてる。


(チクショー、このクソ野郎)

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