１５話 夜 ページ17
貴女side
『思ってたより、片付いてたのね』
「何度も来てるじゃないですかィ」
『こんなにジックリみたのは初めて、だからさ』
夜。私は沖田の部屋へと、足を運んでいた。
昼間、屯所内を時間をかけて案内してくれた。
その感想を伝えると、沖田は少しポカンとしていた。
『沖田、私何かすることない？』
「今の所、ありませんねィ」
『…そう』
「？ なにしてるんでィ。
アンタまで起きてる必要ないですぜ」
背を向けて珍しく真面目に仕事をする沖田に、何かできないかと声をかける。
だが、彼は特には、と答え、私は彼に近づいて背中あわせに座った。
すると、彼は眉を寄せてそう言ってきた。
『アンタが仕事してるのに、私が寝るのなんて悪いわ』
「でも」
『いいの、私がこうしたいんだから。
―邪魔かもしれないけど、傍に居させてよ』
「―…」
沖田は、私の背中を少し強くおして寝るようにと諭す。
それが嫌で私は彼の手を掴んで向かい合うと、少し恥ずかしかったがそう言った。
だが彼は何も言わない。
沈黙だけはやめてくれ、本当に恥ずかしい。
『おきた…？』
「―…見ないで、くだせェ」
『――真っ赤…』
「うるせー」
きっと私の顔は羞恥で紅くなっている。
失敗したと思いながら沖田を呼び、見上げると、そこには耳まで紅くする彼。
思わず口にすると、彼はより眉を寄せた。
『ドSなのに純情なのね、可愛い』
「俺は、男でさァ」
『そんな可愛い面でなに言ってんの』
「―アンタこそ、何言ってんでィ」
『え…？』
可愛くてクスリと笑う。
沖田がムッとしてそう言ってきたけど、私はベッと舌を出して言い返した。
すると、彼は私の両手首を掴んでそのまま押し倒してきた。
真剣な瞳にドキリとする。
「俺は、男でィ」
『う、うん、わかったから―…って、ちょっと！
何してんの！』
「何って、寝るに決まってるでしょ」
『っ…！』
沖田が怒ってる感じがして、からかいすぎたと反省した。
それなのに彼は私を後ろから抱きしめてきた。
耳元で囁かれ、ぴくんと身体が跳ねた。
「今度は上着じゃなくて、俺に抱きついても良いんですぜ？」
『な、なにいって…！？』
「アンタも結構可愛い所あるじゃん」
『〜〜っ！』
沖田の言葉に、大きく心臓が、身体が跳ねた。
衝かれた私は動揺を隠せなく、彼にクスリと笑われた。
「おやすみなせぇ、Aさん」
『おや、すみ…』
(一緒に寝るって、こういうことだったのか…このドSめ)
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琉樹 - これもいいんですけど、沖田落ちもいいなって思いました笑笑仕返し？？みたいな感じで笑笑 (2019年8月17日 15時) (
レス) id: ee45917e2f (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - ルナさん» 温かいコメ、ありがとうございます！忙しく、更新出来る日が減りますが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2014年12月10日 16時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 面白いですね！続きがすごく気になる頑張ってください待ってまーす (2014年12月10日 2時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 恋狂さん» 私は三秒でも五秒でも拾い食いします← これから妙に展開が速かったり、どうでもいい話が混じりますが、どうかお付き合いくださいm(__)m (2014年11月30日 19時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
恋狂 - coco@さん» マー●ルチョコは三秒ルール通用するでしょうか 私はすると信じています……(遠い目) 銀さんが頑張ってくれるということでこれからがもっと楽しみになりました〜！ (2014年11月29日 20時) (レス) id: f0c0f1305c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cocoa | 作成日時：2014年10月1日 21時
