１３話 暴露 ページ15
貴女side
『ただいまー』
「お帰り、A！」
『ありがと、神楽』
万事屋に帰って来ると、神楽が笑顔で跳びついて来た。
笑顔で礼を言ったが、もうこの笑顔が毎日見れないのかと、内心思ってしまう。
「どこ行ってたんですか？」
『ちょっとね。銀時は居るの？』
「いるヨ。あの女は帰ったアル」
『そう。ってか、神楽、そんな言い方止めなさい』
新八まで、来てくれた。
嬉しかったが、私は誤魔化した。
二人に挟まれて、私は部屋の奥へと進んだ。
『ただい―』
「おい」
『なに？』
「ちょっと来い。お前らは来るな」
一応銀時にも“ただいま”を言おうとしたが、遮られた。
見ると、眉を寄せる銀時で、私は首を傾げた。
彼は私の手首を掴むと、寝室へと引っ張って行った。
『…ねえ、なんで怒ってるの』
「…」
『っ、コレ…』
私が問うと、銀時は怒ったような瞳で私を見る。
そして、彼は無言で私にクシャクシャな紙を押し付けてきた。
なんだよ、と思って広げて見ると、私が最近持って帰って来た物件のチラシだった。
隠していたのに…。驚きを隠せなかった。
「どういうつもりだ」
『―そういうつもり。
此処を出て行こうと思って』
ああもう、逃れられない。
そう思った私は、思いっきり笑顔を作り、そう告げた。
「何で」
『邪魔、じゃない、私。
私が居たら、あの子とそういう事もできないでしょ。
だからよ』
「A」
『でも、勝手だけど、万事屋自体は辞めないから。
ただ生活する場所が変わるだけで、それ以外は何も』
何で怒るの？あ、そう。とかで終わるかと思ったのに。
銀時の問いに、私は眉を下げて笑い、そう答えた。
彼が私の名を呼ぶ時は、本当に大事な時であり、きっと今がそうだ。
だが、私はそれさえも無視すると、自分の気持ちは殺して、考えだけを告げる。
「嫌アル！私、Aが居なくなるなんて…！」
「僕も、嫌です！」
『新八、神楽…。
万事屋は辞めないし、遊びに来れば―』
「離れたくないアル…！」
突如、襖が開かれた。
驚いて目をやると、其処には目に涙を溜める二人の姿。
神楽に抱きつかれ、心が揺れる。
「私っ…！」
『ごめんね、新八、神楽』
「A…！」
『私がいなければ、“彼女”とゆっくり過ごせるでしょ？』
「―…勝手にしろ」
もう決めたことだと自分に言い聞かせ、二人に謝った。
笑って問うと、銀時は冷たい視線で、声色でそう言い、胸がツキンと痛む。
これで、良かったんだ。
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琉樹 - これもいいんですけど、沖田落ちもいいなって思いました笑笑仕返し？？みたいな感じで笑笑 (2019年8月17日 15時) (
レス) id: ee45917e2f (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - ルナさん» 温かいコメ、ありがとうございます！忙しく、更新出来る日が減りますが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2014年12月10日 16時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 面白いですね！続きがすごく気になる頑張ってください待ってまーす (2014年12月10日 2時) (レス) id: 0a7264409d (このIDを非表示/違反報告)
coco@(プロフ) - 恋狂さん» 私は三秒でも五秒でも拾い食いします← これから妙に展開が速かったり、どうでもいい話が混じりますが、どうかお付き合いくださいm(__)m (2014年11月30日 19時) (レス) id: c0792c85fa (このIDを非表示/違反報告)
恋狂 - coco@さん» マー●ルチョコは三秒ルール通用するでしょうか 私はすると信じています……(遠い目) 銀さんが頑張ってくれるということでこれからがもっと楽しみになりました〜！ (2014年11月29日 20時) (レス) id: f0c0f1305c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cocoa | 作成日時：2014年10月1日 21時
