19.ヒーローの価値観 ページ21
あれから更に数週間後。
まんば君のテストも無事終わり、早めに帰って来たのでそのまま二人で散歩兼買い物をする事になった。
「いっぱい買いましたね、まんば君」
「ああ。これなら当分保てそうだ」
大丈夫か？と私が持っている分も持とうとするので、私はそれを断った。
例え私が小さいとしても…いえ！小さくはないですが、平均より少ーしだけ低かろうとこれぐらい持てますしね！
「何をそんなに怒ってるんだ？」
「べ・つ・に！怒ってません！それは置いといて、あそこ見て下さい」
「…凄い人だな」
「…何かあったんですかね」
「「……」」
そんな会話をしながら、私とまんば君はその騒ぎの方へ方向転換した。
この癖はどうしても変えられないみたいです。
私達の元本丸全員が持つと言われるその癖、『何かあるならどうにかしたい、何でもいいから知りたい』。
側から見たらただのお人好しの様にも見えるだろうが、これが私達の本丸全員がそうだったのだから仕方がない。
その時、緑がかった黒髪のモサモサの少年とすれ違った。
見るからに少年は落ち込んでおり、今にも泣きそうな顔をしていた。
「A？行かないのか？」
「…いえ、行ってみましょう」
何故彼を見てしまったのか、気にしてしまったのか。
「(…この先、彼は色々な意味で凄い者になる、と思ったからです。直感、ですがね)」
この世界にはヒーローと敵と言う者達が存在する。
きっと、この騒ぎもそれが関係しているのだろう。
それを知った私は思った。
ヒーローが一般人を救う事は確かにかっこいい。それを生業としているのもいい。
だが、彼らが必死に敵から私達を救う仕事をしているのに、それをただ観戦や傍観をし、あれこれ口出しするのはおかしい。「何故来てくれないの」など卑下するのも如何なものか。
「ヒーローも、敵も…人なのに変わりはないのに」
何故こうも、どの世界にも対立する存在が出来てしまうのだろうか。
「A？」
「！」
名前を呼ばれ、ハッとするとそこはすでに目的の現場。
いけないいけない。
ぼーっとしてしまっていた様です。しっかりしなくては。
「…本当に大丈夫なんだろうな」
「大丈夫ですからそんな顔をしないで下さい！」
そんなじとーっと見られても困ります！
てか目の光が消えかかってますが！？
もう！と思いながら騒ぎの中心を人の足の隙間から見る(意外と見える)。
そこにいたのは……
「あの時の…お兄さん？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 637人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もし続くようでしたら、続きを楽しみに待ってます！(*´ω｀*) (2021年9月26日 5時) (
レス) @page31 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ぎゃんかわ…これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - テクノさん» 癒されてあげられている様でとても嬉しいです^ ^ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 通りすがりさん» 教えて下さり、ありがとうございます！自分なりに訂正したのですが、まだおかしい点がある様でしたらまたご指摘お願いします！ (2019年3月21日 0時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
テクノ(プロフ) - まんばちゃんと主ちゃんがかわいくて癒されます (2019年3月21日 0時) (レス) id: 5d0adffebe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2018年4月1日 21時
