拾漆ノ怪 “おすわり” ページ19
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真横でとんでもない爆弾発言をしたかと思ったと同時に、花子さんは残っていたもう一つの人魚の鱗をごくんと飲み込んだ。
すると目の前で水槽がひっくり返り、先程までの魚は居らず、代わりに水槽を被った人間の寧々の姿がそこに居た。
一瞬で人間に戻った事に私と寧々は目を丸くする。
「彼岸と此岸の境を越えて、俺達の縁は結ばれた。君が受ける呪いは俺が最低限に抑えてあげる。代わりに貰うよ、君の…
_______労働力☆」
「は?」
「(あ?)」
「いやあ良かった良かった。ちょーど欲しかったんだよ、ニンゲンの助手。やらしー意味だと思った?」
「そっそんな事…!」
「ヤシロのエ ロ大根」
「ふん!!」
寧々が花子さんに肘打ちをかましてくれたお陰で、私は花子さんの手から離れることが出来た。
…ん?
寧々が花子さんに肘打ち?
「あれ?花子さんに触れる…」
「もーヤサシクしてよー、お願い二つも叶えてあげたんだからさ」
二つ?
いやてか…あれ、ちょっと待って欲しい。
スーッと私は数メートル二人から離れ、自分の世界に入る。
花子さん、寧々のこと“人間の助手”って言ったよね?
じゃあ私は?
昨日は所有物だの何だの言ってた気がするんだが、それはもうなかった事になって、寧々が私の代わりになってくれたって事?そう思ってよき?
仮にもしそうだとしたら……寧々、
君の犠牲は無駄にはしないぜ☆
そうと決まれば早速この場から離れるべき。
寧々には明日でも謝ろう、と意気込んでなんだかいい雰囲気の二人に背を向けて教室を出ようとした。
のだが
「ヒモリ〜?」
「え」
ギクッとしたのも束の間。
突然無数の眩く光った玉と勾玉らしきものが、私の首元を囲む様にして後方から飛んで来て、ひとつの首輪の様な数珠になった。
そう、
「うわ何これ!え、外れないんですけど!?」
「ちょ、花子さん!?Aに何して…」
「だってヒモリってば、俺のなのにすーぐ逃げようとするんだもん。だからそれは俺からのプレゼント♡」
「まだ言ってたのそれ!?だから私はあんたの所有物じゃないって言って…!」
「ヒモリ______“おすわり”」
「は?何…ぃブヘッ!」
その言葉に反応した数珠がカッと光り、それに引っ張られる様にして私は思いっきり床に叩き付けられた。
「えぇ!A!?」
痛い何この数珠嫌。
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時