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第壱章 始まりの鐘 ページ20

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私が審神者に、“桜”になってから九年が経ち、私は十六歳になった。



最初は見知らぬ場所で見知らぬ人達がたくさん居て、ずっと切国様にべったりだったっけ。あの頃の私は何処に行くにも何をするにも切国様に引っ付いていた。

あ、切国様と言うのは山姥切国広様のこと。
最初の頃はずっと山姥切国広様、って呼んでいた。もちろん、他の神様も全員様呼びをしていた。

けど神様達はそれが気に入らなかったらしく、愛称で呼んで欲しい!と言われてこの呼び方になった。
様付けは外せなかったけど。



初めて審神者としての職務をした時、怖かった。


だって、私の指示で彼らは過去に行き、歴史修繕を阻止しに行く。
しかも酷い時は皆中傷や重傷で怪我だらけで……何より血の匂いが濃かった。あの時を思い出しちゃって、凄く…怖かった。

…でも、そんな私に神様達は





「怖いのは当たり前だ」

「その気持ちを忘れぬ様に」

「お主は一人ではない」

「俺達はあんたから離れたりしない」





って…言ってくれて、嗚呼…私もおばあちゃんの名前とこの本丸を引き継いだのだから神様達と一緒に頑張らなくちゃ、って思ったんだ。

それから気付いたら九年も経ってて、時が経つのって早いなぁって実感した。


あの雪山にあった私の家は、今も残っているけど、そこには誰も居ない。ただの廃墟となっている。

今でも偶に私はあの家に行ったりして、後は…ほんの少しだけ炭治郎達の様子を見に行ったりしている。
炭治郎も禰豆子も、その後新たに産まれた弟や妹達も笑って元気に今を過ごしている。

それが見れただけで、炭治郎達が笑っているのがわかっただけで、もう私は幸せだった。
(実は式神に見守って貰ったりしてたり、してなかったり?)


もう私は彼らに会う事さえ叶わないけど、それでも私の代わりに…あんな辛い思いなんかしないで、笑って生を全うするまで生きて幸せになって欲しいの。

その為なら、私はなんだってする。
あんな思いをするのは私だけでいい。



炭治郎も禰豆子も、皆は私が…私達が守るんだ。





そう、思ったのに…






「っ、何で…何で……!」






何で、炭治郎達の家の方からあの時と同じ…






血の匂いがするの







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凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (10月30日 17時) (レス) @page23 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています。 (2022年2月22日 9時) (レス) @page23 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 14話の第三の選択っていうセリフ、どっかで聞いたことあると思ったらキノの旅だコレ (2020年7月6日 23時) (レス) id: e7530bdad7 (このIDを非表示/違反報告)
奏芽 - 切なくて涙が出てきましたw更新待ってます!!! (2020年4月15日 6時) (レス) id: 6107720ed6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます!更新頑張ってください (2019年12月18日 14時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サヒア | 作成日時:2019年8月29日 0時

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