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ただ帽子が飛んで来て、私の頭に被さっただけなのに、何故かこんな美形さんに瞳を綺麗って褒められている。
柔らかな笑みをした儘、美形さんの右手が私の頬に添えられた時、反射的にピクッと肩が跳ねた。
かなり距離が近くなる。
「ひえ!?え、っと…そ、その…ぅ…」
「橙と…桃色?否、撫子か?凄え綺麗だな、こりゃあ」
「あ、あの…えっと…ッ」
「…ぷっ、ンな顔真っ赤にしやがって…随分と可愛い反応するじゃねェか、手前」
「はうあ!?か、かわ…ッ!?」
何だなんなんだ、今現在進行形で何が起こってる?
何でこうも褒め立てられているンだろう。
こんな格好良い人に目の前で瞳綺麗だとか可愛いとか言われたら、誰だって照れて当たり前だろうと思う。
可笑しそうに笑う姿が少し太宰さんに似ている気がした。
…と!と云うか!
この状況は一体如何したら正解なんですかね!?
もう私、心臓バクバクで動けそうにないンですけど!脚はガクガクだし!!
だ、誰か何でもいいからこの状況を如何にか……
私を助けて下さいぃいいい!!
「っおい、ちょっとあんた。Aから離れてくんね?」
「あァ?誰だ手前」
「か、快斗君…!」
頬に添えられた美形さんの手を快斗君が掴み、私から離した。
何だか二人共顔が怖い。
取り敢えず此の五月蝿い心臓を落ち着かせなければと、私は一先ず深呼吸をした。
ハースーハースー……よし!
何とか少しだけだけど、落ち着いた気がする!
あとは…あの美形さんに帽子を返すだけ、なんだけど。
ちらりと視線を二人の方へ戻すと、結構な口論が行われていた。
「あんた、いきなり何な訳?Aに手ぇ出すとか、俺が許す訳ねえだろ」
「ハッ!ンだよ、嫉妬かァ?男の嫉妬は醜いって聞いた事ねェか?」
「…っせぇよ!チビのお前に言われたくねえ!中学生の癖に生意気過ぎだろ!」
「ほぉ…?此の俺に喧嘩を吹っかけるたァ、上等じゃねェか。いいぜ、相手になってやる」
ひぃいいいいッ!!?
何か本当に大事になってません!?
何が何でこうなったの!?
真逆…此れもまた私のせいなの!?
喧嘩はいけない。
ただ怪我をして鬱憤を晴らすだけに過ぎない。周りにも人がいる中、巻き込んでしまう恐れもある。
如何にかして止めなければ。
「…っちょ、一寸待って下さッ…」
そう叫ぼうとした時、足元に何かがベチャッと落ちた音がした。
……べちゃ?
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9Sに殺されたいロリコン - あ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………キモくてすんません (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - すみません……この子が可愛すぎて悶てるわぁっ!!あぁっ!!喰いたい。(真顔)安室さんの女スカ? (2019年8月31日 20時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - リリンゴさん» 本当ですか!?有難うございます!続編を作ってる最中なので、是非出来たら其方も読んで頂けると嬉しいです! (2019年7月16日 23時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
リリンゴ - おもしろいです!最高ですね! (2019年7月13日 18時) (レス) id: 547ee901cf (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 綾乃さん» 綾乃さん!いいお名前…!有難うございます!頑張らさせて頂きます! (2019年7月7日 20時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2019年4月16日 1時