教師になる前の俺4 ページ6
.
安堵の息を溢した時、仮面男がぽんっと言う効果音が出そうな感じで何処から共なく俺の刀を出した。
それを受け取り、戻って来たあの重さに俺の涙腺と口元が緩んだ。
よかった…。よかった、本当に。
俺の腕にまた帰って来てくれた。
俺の傍に戻って来てくれた。
『…よかった…ッ』
僅かに目に涙を溜めて、俺は相棒をぎゅうっと固く抱き締める。もう絶対に手放さないと誓って。
『…っ、本当に…本当にありがとうございます…!
これを預かっていてくれて…。
これがなかったら俺…どうなってたか…』
「「……」」
『…?あの?』
何でこいつら固まってんの?
え、こわ。目が怖いわ。何処見てんだこいつら。刀?まさか…俺?
え、俺そんなにキモい顔してた!?いや確かに刀が戻って来てちょーーっと泣いたかもしんないけど、そんな号泣までしてねえよ!?あ…つか今の俺超イケメンだからキモいは有り得なかったわ、ウン。
え…じゃあほんとに何??
俺がまた『あの?』と声を掛けるとようやく聞こえたらしく、鴉男の方が「はっはイぃ!!」と何か変な声を出した。イケメンの方は「仔犬の癖に…」と何故か悪態を吐くと言う始末。
何なの、俺何もしてません。
変なの…と思いながらそこでふと、あれ?と一つ疑問が湧いた。
今この人は刀を何処から出したのか、と。思い返せば何もない所から取り出さなかったか?と。
静かに俺はえ"、と声に出した。驚くなと言う方が無理がある。
今先程この鴉男は何をした?一体何処から刀を取り出した?今のはまるで前世のゲームであった、
魔法、そのものだった。
俺はかぱーと口を開けて刀と鴉男を交互で見遣り、先程の二人の様にピシリと固まった。
当の本人は「どうしました?」と不思議そうに首を傾げるし、隣のイケメンも「どうした仔犬」と言って同じ様に首を傾げるし…え、俺がおかしいの?
『…え、あの…さ、さっきの…』
「さっき?
…ああ、もしかして先程の魔法の事ですか?」
『まほう』
「ええ。
丁度貴方のかたな?を空間収納していたのを思い出しまして、取り出したのですが…」
『くうかんしゅうのう』
「おい、本当にどうしたんだ仔犬」
『…あの、ここ何処でしたっけ』
「?ここはナイトレイブンカレッジと言う魔法士養成学校です」
まほうしようせいがっこう?
まほうし?
『は、はぁああああああああッッ!!?…あ"、
ぅぶえっごほごぼひッ…う"ぇ』
「お、落ち着け仔犬!!」
.
1286人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばってん(プロフ) - すっごく面白いです!一気読みしちゃいました!!😳😳 (2022年11月28日 21時) (レス) @page32 id: 33b58415e3 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ - 待ってました!!更新頑張って下さい! (2020年10月19日 22時) (レス) id: ad5105468f (このIDを非表示/違反報告)
まりん(プロフ) - めっちゃ好きです続き楽しみにしてます!!!! (2020年10月16日 11時) (レス) id: c0419a06cc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - とても面白かったです( ≧∀≦)ノフロイドの赤面は、無しだよ〜キャー!になるよ?キャー!に?(?) (2020年8月20日 1時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
琉 - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしています!更新頑張ってください! (2020年8月19日 0時) (レス) id: 8d7c4e2f4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月29日 1時