とりあえず学園長、殴らせろ ページ46
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さあ、魔法石を学園長に!と持って来たら驚かれた上、本当に探しに行ったの?退学手続き進めてた…とか言いやがるので、キレて一発ドゴッと腹パン決めたよね。私悪くない。
そして学園長室に移動してドワーフ鉱山で起こった出来事を嫌味の様に、ツラツラと私達は説明した。
それを聞いた学園長は腹を押さえながら、「ほほう」と感心した様な声を出した。
後何故か学園長が「五人で協力した」って言ったら、三人は渋々…と言った顔をしたのが解せぬ。
そしたら学園長どうなったと思う?
なんか感動したのか、急に変になって泣き出したよね。しかも何故かガチ。キモい。
「この私が学園長を務めて早ン十年…ナイトレイブンカレッジ生同士が、手と手を取り合って敵に立ち向かい打ち勝つ日が来るなんて!」
「んなっ!?僕はこいつと手なんか繋いでいません!」
『お前…実は天然だな?』
「オレだってヤだよ気持ち悪りぃな!つーか学園長、歳いくつ!?」
「私は今猛烈に感動しています!」
あ、無視した。
早ン十年以上って事は、かなりのじぃさんじゃね?
未だに泣きながら学園長は、私とユウ君にこう言った。
「ユウ君、A君。貴方方には間違いなく、
_____猛獣使い的才能がある!」
「も、猛獣使い!?」
『どんな才能だよ…』
何言ってんだ、つかいつから君付けに?と思いながら、学園長の話を聞いてみてあらビックリ。
ナイトレイブンカレッジ生は皆プライドが高く、それ故に他者と協力しようと言う考えを微塵も持たない個人主義かつ自己中が多いのだとか。
ただのやべえ不良学校じゃん…と思ったが、口には出さないであげた。
「貴方方には魔法が使えない。
ですが恐らく使えないからこそ、魔法を使える者同士をこうして協力させる事が出来た。
きっと貴方方の様な平々凡々な普通の人間こそが、この学園には必要だったのです!」
『褒めてるの?貶してるの?殴っていい?』
「抑えて抑えて!」
「ユウ君、A君。
貴方方は間違いなく、この学園の未来に必要な人材となるでしょう。私の教育者の勘がそう言っています。
トラッポラ君、スペード君。二人の退学を免除すると共にユウ君、A君。
貴方方にナイトレイブンカレッジの生徒として、学園に通う資格を与えます!」
『そんなのいらねえからまずは殴らせろ?』
誰が通いたいって言った?
グリムだよ通いたいのは。
そんな資格貰っても全く嬉しくねえわ。
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時