連携プレーでFinish! ページ42
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魔法石を取るには、まずあの怪物を引き付ける必要がある。
「やい、バケモノ!こ、コココッチなんだゾ!」
大きな声でグリムがそう叫ぶと、入り口から先程の怪物が現れ、帰れ帰れと呻き声を上げる。
それを見たグリムは「ギャ!来た!」と言って私の肩に飛び乗る。
そう、私、ユウ君、グリムは一時的にこの怪物を引き付けるのが役目だ。
『こっちまでおーいで〜』
「こっちだ、バケモノ!」
《グルッ!?コッチニモ…ドロボウ……ワダサヌ…オデノ…オデノ!!》
『おっと!』
ブォンと振り下ろされる腕を私は難なく避けると、私が居た場所に腕がめり込む。
うっわぁ…。
どんな腕力してんのアイツ。あれに当たったらやべえのは一目でわかった。
「なるだけ洞窟から引き離そう!」
『おーいこっちまで来いよ!怪物さん!』
《デテゲ…デテイケ!!》
私達がそう煽っていると、怪物はどんどん私達について来てかなり洞窟の入り口から引き離すことが出来た。
これ程の開けた場所なら…彼らなら問題ないだろう。
「『今だっ!』」
「オッケー、お任せ!行くぜ、特大突風ッ!!」
「アーンド・グリム様ファイアースペシャル!
ふな"ぁああああぁあッッ!!」
エースが魔法で生み出した大きな風がグリムの炎を更に大きな火力と変化させた。
巨大な炎の竜巻に驚いた怪物にそれは直撃し、怯んだ。
怪物の断末魔が聞こえた。かなり効いたのだろう。
私達はよし!と仲良くガッツポーズ。
「どーよ!グリムのショボい炎も、オレが風で煽ってやればバーナー並の火力だぜっ!」
「ショボくねーっ!ほっんとオマエ、一言多くてムカつくんだゾ!」
「今がチャンス!」
怪物が怯んだ。今しかチャンスはない。
傍で待機していたスペード君がブツブツと呟きながら、呼吸を整える。
「落ち着け…よく狙うんだ…。俺が知る中で一番大きく…重たい…」
『大丈夫、スペード君なら出来る。自分を信じろ』
「!…ああ、ありがとなA!
_____出でよ、大釜ッッ!!」
《グアアッ!?》
スペード君が喚び出した黒い大釜が、怪物の頭に直撃する。
あれだけ大きな釜に上から押し潰されているのだ、そう簡単に動けまい。
釜を出せる事をユウ君に聞くまで知らず、私がなんとかしようと思っていたから聞いた時は驚いた。
これも連携プレーがあっての賜物だよね!
やれば出来んだよ、協力って大事!
私達の大っ勝利!!
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時