魔法士養成学校 ページ5
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そんなこんなで入学式会場に連れて行かれながら、カラスはこの学園についての説明をし始めた。
ふと、先ほど通って来た中庭に目を遣る。
うひょー!
よく見たらめっちゃ広いじゃん!なんか外国の学校みたい…。
え、りんごの木とか生えてますやん。
うまそ。
後でこっそり摘みに来よっかな、うんそうしよう。
「…ごおっほぉん!」
『おぉ!?』
「話を始めてもいいですか?」
『あ、はい…』
スミマセン、と素直に謝ると、カラスは満足したらしく「宜しい」と言って微笑んだ。
そんな私達を見ていた少年はくす、と小さく笑みを溢す。
「ここはナイトレイブンカレッジ。世界中から選ばれた類稀なる才能を持つ魔法士の卵が集まる、ツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です」
………んんん??
あ、いやごめんなさい。
余りにも聞いたことのない横文字が出て来たんで…。
何だって?魔法士養成学校?なんだそりゃ。
魔法がある時点でおかしいのに、育成する学校まであんの?
……もしかして、もしかしなくても、ここ、日本じゃ…ない?
「そ・し・てぇえ!!」
『ぉあっハイッ!すんませんした!!続きをどうぞ宜しくお願い致します!!』
「全く…。そして私は理事長よりこの学園を預かる校長、ディア・クロウリーと申します」
分かりましたか?、とこちらを見て来るので私はかなり微妙だが、とりあえず頷く。
ちらりと隣の少年を見ると「ないと…かれ…?ま、まほうし…?」と私以上に混乱していた。
「この学園に入学出来るのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。選ばれし者は『扉』を使って世界中からこの学園に呼び寄せられる」
「さっきの棺…」
「ええ、そうです。貴方方の所にも『扉』を載せた黒い馬車が迎えに来たはずです」
「確か…暗い森を通ったような…」
………え、そんなの知らんよ私。
馬車なんか日本に今の時代ないよ?
時代間違ってない?私、超現代人よ?
「あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ新入生を迎える為の物。学園に通じる扉を運ぶ、特別な馬車なのです。古来より特別な日のお迎えは馬車と相場が決まっているでしょう?」
「『相場って何処の相場?』」
「むがーー!むががーー!!」
「さっ、入学式に行きますよ」
あ、スルーしたなこの人。
…てか、入学させる気満々じゃん!
私は江古田高校に行きたいの!家に帰りたいんですが!!
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時