銃って痛いんだよ ページ30
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もう大惨事で、シャンデリアは完膚なきまでに破壊され、溜まっていたであろう埃が煙の様にそこら中に舞っていた。
……これ、掃除どころの騒ぎではないのでは?
食堂の明かりであるシャンデリア壊しちゃったんだが?直る?直せるよね?魔法あるんだし、ね?
…二度言いますけど、お前らアホ過ぎないか?
こんなのちょっと考えればわかる事だよね??
後先考えた行動しろや。
ギャーギャーと騒ぐ男子と一匹に、冷たい視線を送っていると、横に立っていたユウ君が「A、怪我してる…!」と焦った様に口を開いた。
それが耳に入ったのか、男子二人は「え!!」と視線をこちらに向けていた。
え?怪我?と思って頬を触ると、ピリッとした痛みが走り、触れた手の指に血がべとりと付着した。
どうやらシャンデリアのガラスの破片が飛んで来た端に、切ってしまったようだ。
『わ、ほんとだいつの間に』
「早く保健室に行こ!結構血が出てるし…手当てして貰わないと!」
『大丈夫だよこれくらい。それに今はこの惨事をどうにかしないと』
「これくらいって…何言ってんの!?怪我してるんだよ!?それにAはおっ……むぐ!」
『わかったわかったから、続きはストップ!!ここではそれ禁句だから!』
男子校にいる筈もない女がいるとバレては面倒なので、慌ててユウ君の口を塞ぐ。
意外とユウ君は心配性らしい。
手で口を押さえられながらも、もごもごと怒りを露わにしていた。
ユウ君ってば気にし過ぎなんだよ…。
こんくらいの怪我なんか、全然大した事ないのに。銃に撃たれた時に比べれば、軽傷だよこんなの。
「って言うか、この惨事を学園長に知れたらやばいんじゃ…」
「知れたら…何ですって?」
「あ…学園長…」
「あ〜な〜た〜た〜ち〜は〜〜〜ッ!一体何をしているんですか!!!」
気付いたら私らの後ろに学園長が立っていた。
仮面越しでもわかるくらい、学園長が怒っているのがわかった。
これは中々…いや、超絶やばいのでは?
「石像に傷を付けただけでは飽き足らず、シャンデリアまで破壊するなんて!もう許せません。
_____全員、即刻退学です!!」
「「「えええええええええッッ!!?」」」
まあ…そりゃそうなるわな。
…あれ、いや待てよ。
このまま追い出されたら私らは、一体どうやって生きていけと??
………。
…私らは止めましたよ学園長!!!
こいつらと一緒にしないで!!
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時