ゴースト退治 ページ16
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とりあえず…
『グリム、左。その次は右！』
「ふな"ぁあああ〜！！」
ボボッと青い炎が吹き荒れ、目を瞑りながらでもしっかりと二体のゴーストに炎が直撃した。
グリムも当たった！と喜びの声を上げる。
「よぉし、この調子で全員追い出してやるんだゾ！
ふふふふな"ぁっ！ふな"！ふな"ぁ〜〜ッッ！！」
「アチッ！」
「アチチチッ」
「あ、次真上！」
「ふな"ぁあ！…す、すごい効いてるんだゾ！」
よしよし、この調子ならあっという間だな。
だんだんゴースト達も動きが鈍くなって来ているし…あとは、一気に！
ユウ君と顔を見合わせて、同時に叫んだ。
「『グリム！一気に畳みかけろ！』」
「！わかったゾ！ふぅう〜〜…な"ぁああッッ！！」
私らの掛け声と共に、グリムが一斉に周りにボオッと青い炎を吹き出す。
あれだけ炎があれば、ゴーストも近付けない。
大きな炎に驚いたゴースト達は「ヒィ〜！」と言って、何処かに逃げて行った。
…ゴーストさん方、何もしてないのにごめん。
でも、驚かして来るそっちが悪いんだから！
ちょっとは反省してよね！
「あ、あれ？勝っ…た？」
「ありがとう、凄かったよ！」
グリムに笑顔で駆け寄るユウ君。
そして緊張が解けたのか、少し涙目になったグリム。
怖かった、と言いかけて「全然怖くなかった！」と言い直す辺り、やはり素直じゃない。
「はいはい」と流すユウ君ももちろんそれに気付いている。
私もそんな二人の元に駆け寄った。
『やるじゃん、グリム！』
「ふん！グリム様にかかればチョロいんだゾ！どうだあ、お化けめ！参ったか！」
お、照れてるな。
ほっぺがちょっとだけど、赤くなってる。
可愛い所もあるじゃないか、と思ってグリムの頭を撫でようとした時、後ろからコツコツと言う足音が聞こえた。
ばっと振り返ると、トレーに料理を乗せて持って来たカラス…学園長だった。
「こんばんはー。優しい私が夕食をお持ちしましたよ…って、それは先程入学式で暴れたモンスター！追い出したはずなのに、何故ここに！？」
『あー…と、これは…』
「フン！オレ様がお化け退治してやったんだゾ！感謝しろっ！」
「ん？どう言うことです？」
「『実は…』」
説明しなさいと言わんばかりの顔付きで、こちらを見る学園長に、私らは起こった出来事を全て話した。
色々省略して、簡潔に、だけど。
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作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
