シフォンケーキ【ヒロアカ】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:3,658 hit

firststory ページ3

「お父さん！お母さん！お兄ちゃん！私ね、大きくなったら

ヒーローになるんだ！」

『そう、Aならなれるわ！』

『頑張りなさい、父さんも応援してるぞ。』

『じゃぁ僕は、Aと一緒に最強のヒーローになる！』

『そうね、2人で世界を救ってね。』

「うん！お兄ちゃんと一緒に頑張る！！」

そんな家族の夢は叶えられませんでした。

それから数週間後、彼女の父と母はヴィランに襲撃され

亡き者になってしまいました。

当時、まだ5歳になったばかりだった少女、有栖川Aは

その現状を理解することが出来ませんでした。

兄はもう10歳でしたから、その事実を知り

泣き喚きました。

そんな兄の姿を見て

今の現状を理解出来ていない少女も悲しくなりました。

その日から兄は、誰とも関わりたくないから部屋にこもり

口数も減って、無口な人になってしまいました。

御屋敷の召使いも減り、Aは独りぼっちでした。

Aは、悲しくなりました。

そんな生活が1年経ち、その日は両親の命日。

Aと兄と召使い数人でお墓へ行こうとした時でした。

Aは兄を呼びに兄の部屋のドアをノックしました。

何も返事は返ってきませんでした。

空いてるわけないだろうと思いながら、ドアノブに手をかけました。

押せました。

鍵をかけてなかったのです。

兄がそんな不用心な人ではないと分かっていたAは、何か、感じました。

勢いでドアを開けると、

そこに兄は、いませんでした。