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コンコンとノック音がし、返事を待たずに開けられる。

「お前ら、朝から元気だな...詰所の方まで聞こえてたぞ」

「えっ...?」

「お、」

「あ、」

「あら」

個性溢れる反応の後、しばらく訪れる沈黙。

私の目の前にいるキャリーケース引きずった男性は、途端に眉間にシワを寄せる。

「せっかく帰ってきたのに、お帰りの一言もないとは、悲しいな」

...

...

...

...

...

「藍沢ああああ!!お帰り!!!」

放心状態から1番先に抜け出せたのは藤川先生だった。
満面の笑みを浮かべ、藍沢先生に飛びつくがすぐに床に剥がされ落ちる。

その後、緋山先生、冴島さんの順で「お帰り」と返事をし、最後は私だけとなった。

「白石、藍沢帰ってきたよ」

固まったまま一言も発せない私。

不審に思ったのか、藍沢先生が顔を覗き込んでくる。

「おい、白石。大丈夫か?」

頭の中は真っ白だった。

嬉しいのだが、嬉しすぎて言葉が出てこない。

ずっと会いたかった人が目の前にいる。

「お帰り」と言えばいいのに、私の口からは空気しか出てこない。

藍沢先生は私の肩を掴んで揺さぶりはじめた。


藍side

なあ、目の前にいるこいつどうなっているんだ?

俺姿を見た途端、彫刻みたいに動かなくなってしまった。

口をパクパクと動かしてはいるが、漏れ出るのは空気だけ。

「おい、白石。白石、大丈夫か」

心配になって肩を揺さぶる。

すると緋山が小さくため息をつき、彼女の背中を思いっきりバシンと叩いた。

「しらいしっ!藍沢、帰ってきたよ!目を覚ましな」

衝撃で漸く意識が戻ってきたらしい、白石。

俺の顔を認識すると、嬉しそうに「お帰り、藍沢先生」と笑った。

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作品ジャンル:恋愛
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Noa(プロフ) - あかりんごさん» はじめまして。pixivでしたら同一人物です。見つけて下さりありがとうございました。 (2020年8月16日 16時) (レス) id: e4c16b987b (このIDを非表示/違反報告)
あかりんご - 私この小説見たことあります!!!確かpixivだったような…違ってたらごめんなさい (2020年8月16日 16時) (レス) id: 89de9314a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:sakuraba_akebi | 作成日時:2020年6月30日 17時

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