47話 通過点試合 ページ2
起きてしまったのかと思い少し焦ったがすうすうと寝息を立てて眠るその姿を見ればそんな心配はなくなった。この顔を見るのは二回目だけど何度見ても見惚れそうなくらい整った顔をしている。ご家族の顔を見てみたいくらいだ
何分見続けていただろうか、やっと私は身動きが一切取れない体制になっていることに気づいた。起きたからこちらの力は緩んでいるものの、凛ちゃんからホールドされているため腕の中から抜け出せない
もういいやと投げやりになりまた二度寝をかました
「...おい、おい早く起きろ」
凛ちゃんに言われ目が覚める。感覚が鈍くてとなりにある抱き枕を抱きしめる
「寝ぼけてないで早く起きろ、俺が動けねえ」
抱き枕だと思ってたのは凛ちゃんだった。やばい、ご立腹だ
「うわ...まじでごめんまたお詫びに来ます...」
しれっとここに来る口実を作る。廻にも会いたいしね
そういえば今日は何チームか試合をする予定があった気がする。じゃあいつもよりスポドリとタオル多くしないと...
「おめでとーナイスゴールだったよー」
適当な試合を見て適当に称賛する。それだけで彼らは喜ぶもんだからチョロいもんだ
スマホで現在進行中のマッチを探す。どうやら潔たちと千切たちがやってるようだ
その部屋につき、そろ〜っと扉を開ける。現在のスコアは4-3で千切達が優勢
みんなはこっちに気づいていないよう、その間にせかせかと渡す準備をする
キックオフで始まる、しかし後ろから馬狼が突っ込んできてる
そしてそのままダイレクトにゴールへ打ち込む。しかしそれは決まるわけでもなくブルーロックマンに弾かれる
こぼれ球は國神の元へ。しかしそれを読んで凪君がマークにつく
マークされた國神はそのまま玲王君にパス。しかし潔がカットしまたこぼれ球は転がる
その先には馬狼がいた、彼の絶対領域はすぐそこ。このままドリブルして領域に入れば確実に点は入る。しかし後ろからは恐らく進化したか、ノっている千切が追いかける。このままでは馬狼はボールを盗られる。どう出る、前に潔がいるからパスか、いやでも性格的にそれはなさそうだけど
潔の目はパスを出せと言わんばかりに闘心に燃えている
それに屈したように「あ、」と声を漏らし潔にパスを出す
それを受け取った潔は見事にダイレクトシュートでゴールを決める、ノってるね潔も
同じチームで、接戦で、ゴールを決めて、同点まで這い上がったのに
馬狼はまるで負けたかのようにその場にうずくまっていた
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作者名：さくらば | 作成日時：2023年1月3日 2時
