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7話 幸先悪いかも ページ8

ボールはこっち側からのスタートだった。
ここですぐに点が取れれば幸先良いスタートでチームの士気が上がるのだけど....

そう簡単に行かないのがサッカー。相手は一気に3人で守ってくる。

あ、潔君蜂楽君探してる...冷静でよか

「あ、潔後ろ」

後ろからは雷市君。しかもボールを潔君から奪い取る。

まずい予感がする。あったばかりのメンバーで連携がうまくいかないなんてのはザル。
でもこれは違う。全員が、自分のことしか考えてない。
いや、それはそれでエゴイストなんだけど。

なんて考えてる間に見えた光景はお団子サッカー。

「ちょ、みんな冷静になって!そんなに人数いらないし固まって動いたら」

うちの声が聞こえてるようには見えなかった。
最悪だ、もう泥沼試合になる未来なんて簡単に予想がつく。

そんなときだった。
お団子をたった一人で割り、ボールを奪い、一人で3人抜いて、華麗にゴール

相手選手だった。名前はたしか馬狼。体格がいいからフィジカルもいい。
これが相手の立場だったら最高だろうな。彼が決めたゴールはまるで暗闇の中の一筋の光。

圧倒的エース。彼のゴールをきっかけにチームXはまとまり始めた。
それに対しチームZ。誰か、誰かがきっかけになればこの負のスパイラルからも抜け出せる。

だからこそ言いたい。決めて、と。だけどそんなこと言ったら口論が始まるのは容易にわかる。

なにも、できない。
マネージャーという立場でありながらどうすればいいか全くわからない。
情けなくなって、ただただ眺めることしかできなかったけど

一つだけ、暗幕の元の電灯くらいの小さな希望が見えた。

「でもあと1点ならいけるかも、俺と潔で。やる?」

「...やる!」

明らかに二人が仕掛け始めたのは空気で分かった。
蜂楽君のおかげでゴール手前までは順調。ここでボールは潔君へ。
でもそこには圧倒的エースの彼がいる。

そして後ろには國神君と雷市君。國神君にはDFがついている。

「潔君後ろ!國神にDF1枚と雷市はフリーでいる!」

もし気付いてなかったときのための保険で叫ぶ。
どうか、届いててくれ

パスを出した先は國神君だった。
DFついてるのに、いや何か考えがあったかも。

國神君はロングシュートでも打てる。
もしかして、それを狙って

「ナイボー潔...!」

國神君の声が聞こえた。
これは...!


GOAL!

チームZに1点入った。でも、でも

ピピーーーッ

勝者 チームX

負けちゃった。

8話 これをバネに→←6話 はじめての試合



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しは(プロフ) - めっちゃ面白いです! (2022年12月31日 1時) (レス) @page35 id: e927209d21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらば | 作成日時:2022年11月29日 23時

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