タカラモノ (ページ1)

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出会いページ1

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学校終わるの遅い！急がないとゆっくりできないじゃん！！

一人で呟きながらいつもの場所へ向かう。

あ「こんにちはー！」

智「あ。いらっしゃい。」

私がいつも来る場所。

それは小さなアトリエ。

智「今ね、次の絵描いてるの。ゆっくりしてってね。」

あ「はい！」

彼は大野智さん。

美大生で、自分のアトリエを持っている。

私は、高校３年生で受験生だったりする。

智「んー。どんな絵を描こうかな～。」

あ「楽しみにしてますね。」

智「ありがとう。」

ふにゃっと笑うあなた。

私はそんなあなたが好き。

あ「雨降ってきた！最悪！」

傘持ってない日に雨降るとかいやがらせ！？

いらいらしながら、バス停で雨宿りしてると。

『傘ないの？』

『良かったらうちに来ない？』

普通だったら(怪しい)って思うんだろうけど

その人の笑顔は嘘じゃない気がした。

あ「ここが家...？」

智「俺ね、大野智。美大目指しててアトリエ作ったの！」

あ「なるほど...」

智「絵はスキ？」

あ「はい！」

もう一年かぁ～。あの時から。

智「あ！Aちゃん、退屈じゃない？」

あ「ぜんぜん平気ですよ。」

智「それなら良かった。」

そう言ってまた、ふにゃって笑う。

今思えば、この笑顔に恋したんだな。

出会ったときから。

私と大野さんはいつもこんな感じ。

大野さんは常に絵を描いてて。

私はその横顔を見てるだけ。

ほかの作品も見たりするんだけど

なんとなく大野さんの傍にいる。

それだけで十分。

智「こんな風で～。」

心から楽しそうに絵を描いてる。

大好きだな。この時間。