末っ子のもう一人ご存じですか？？ (ページ28)

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4人で食卓を囲みギャーギャー騒いで飯を終えれば北斗とジェシーが風呂に入りにいってリビングには俺とみやだけ

『ゆごくん、』

「ん？どうした？」

『ごめんね、』

心配かけちゃって、と泣きそうに笑った彼女を思わず抱きしめた

「ううん、大丈夫。……いまは俺しかいないし、ジェス達も分かってくれるから沢山泣いちゃえ」

後頭部を優しく撫でると俺の背中に彼女の腕が回って肩が湿る感覚がじんわりと広がり

『っ…ひっ、…ごめ、…ゆごく…、』

声を殺して…、そして時折嗚咽を漏らしながら彼女はひたすら泣いた

落ち着いた頃にジェシーと北斗も出てきて目を真っ赤にした彼女を見て優しく微笑んで2人が優しく…優しく頭を撫でた

『…あの…ね、』

ぽつり、ぽつり、と彼女の口から語られたのは退院して自宅療養を始めてからの心境だった

とてもじゃないけど、大丈夫なんて言葉は言えなくて

「…うん、、、辛かったな…俺らついてるから…全部吐いて楽になろっか」

ただ、涙を堪えて彼女の背中をさすることしか出来なかった

松「……あいつら殺してきていいかな」

みやが泣き疲れて俺の膝の上で丸まるようにすやすやと眠っていて、そんなみやの頬を優しく包み込みながら物騒なことを言う北斗

「…北斗」

ジェ「俺捕まりたくね～(笑)」

「……てか、あの人達の家ってどこだっけ」

ジェ「コーチの方が怖いんだけどAHAHAHA！」

頬に残った涙の跡を指でなぞり

「ゆっくり休みなよ」

そう言って彼女を寝室に連れていった

寝室は相変わらずものが無くて正直落ち着かなくて…、ふとサイドテーブルを見れば薄暗い部屋の中でもわかるくらい真っ赤に染っていたティッシュとクルクルと丸められた包帯とサージカルテープ。

そして、カッターとカミソリ

眠る彼女には悪いけど傷だらけになってしまった細い腕を取りサイドテーブルの引き出しの中にあった消毒液で消毒をして包帯を巻いて

「傷痕残りませんように、」

小さな声でお願いをして腕を優しく撫でた

『…ゆご…くん、………』

ありがとう、ともごもごと寝言で呟いた彼女

「ふはっ、何の夢見てんの？(笑)」

彼女の笑顔は俺らが守んなきゃね。

俺の中の決意がまた強くなった

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