交錯する想い…3 (ページ10)

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犬夜叉side

何が“慈悲”だぁ？
けっ。人間の考える事は分からねぇ

『犬夜叉』

背後からAの声が聞こえた。
俺は素直になれず“何だよ…”って答えた

『犬夜叉はもう少し人と関わってみるべきだ。弥勒が良い相手だから…』

犬夜叉「たく…余計なお世話でい」

すると、あいつは笑った。横目で俺は釘付けにされた…ったくよ。無意識にやりやがって

『犬夜叉、私はお前に仲間の素晴らしさを教えたいのだ。曾て叶わなかった事を…かごめに託したい』

犬夜叉「何言って？」

『犬夜叉。私や桔梗の事で苦しませたくない…桔梗にも話していない私の本音』

俯いてどんな顔で言ってるのか分からなかった。けど、真面目に真剣なのは分かってる。
本音は本当だ。

犬夜叉「けっ、A言っておくぞ！俺は、お前に惚れてんだ。だからこそ失いたくない…それに、その奈落って野郎にも会ってみてぇしな。落とし前はきっちりしねぇと！」

『私には、その時の記憶がない！何故、惚れてるからで守れる！命を落とすかもしれない！』

犬夜叉「まだ落としてねぇよ。なぁA、お前の側を一度離れて大怪我したあの日覚えてるか？」

『いきなり何を…桔梗と一緒に妖怪退治へ出て大怪我したあの日か？』

犬夜叉「本気で守らねぇと、こいつはいつか本当に命を落とすかもしれねぇ。側で守ってやんねぇと…好きなお前を」

『…何度も言うな…だが、私は長生きできない。それは確かだろう』

犬夜叉「……分かってる」

『だから、犬夜叉を一人になんてさせたくないんだ。今だけでも構わない…ただ、犬夜叉とかごめ、七宝、弥勒の四人が互いに支え合う。いつか分かる時が来る』

俺は、理解に苦しんで顰め面で首を傾げた。Aはただ笑うだけで、その日それ以上何も言わなかった。

俺の気持ちも分かった上で、Aは成長出来ない事と寿命が磨り減っちまってる事で残りの命を大切にする方を選んじまってる。
俺があれこれ言ったって変える気はねぇんだ…それでも、最後まで抗って守ってやりてぇ。

それに、あの日の話しは何だか胸糞悪い陰謀がある気がしてならねぇんだよ…

だから誓う。もう二度とお前を傷付けさせねぇ！
俺が…守る！