最弱の魔女と…。 (ページ4)

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第三話ページ4

心なしか目の焦点もさっきよりも合わなくなっているような気がする。

「この子をマグルの病院まで連れて行く余裕はないわね。なんせここは森の奥だからマグルの移動手段で病院に行けばだいぶ時間がかかるわ。救急車っていうマグルの急病患者を病院に運んでくれる緊急車両もあるんだけど、森の中まで来るには相当時間がかかるわ。マルフォイを呼びましょう。」

「マルフォイ？ルシウス・マルフォイのことか？」

「ええ、そうよ、今聖マンゴで精神科医をしているわ。シリウスが聞いたら怒るかもしれないけど。」

リリーは暖炉に近づいて行った。

その後、金髪のルシウス・マルフォイがやってきた。

マルフォイはまっすぐ女の子の前までやってきて女の子が座っているソファの前にかがみこみ軽く見た後

「そうだね、脱水症状に間違えない。水は飲めなかったんだね？」

「ええ」

とリリーが答えた。

「マグル式の注射を使おう。少し待ってろ用意してくる。」

「「マグル式！？」」

「なんだ、そんなに不思議か。役に立つぞ」

「いや、マルフォイ氏の口からそんな言葉がでるなんて」

「マルフォイさんも変わりましたね」

とリーマスが言った。

「でも、お願い。この子も本当にしんどそうだし。」

リーマスはまだ、女の子の背中を撫で続けている。

女の子はまだ、自分を傷つけ続けてきた。

「これやめさせた方がいいかな？」

とリーマスが小声で聞いてきた。

「いや、無理に辞めさせるな。命に別状はないから。」

「分かった。ありがとう」

マルフォイが帰ってきた。手には注射器が握られている。

「ただの栄養剤だ。すこし鎮静剤も入れておいた。」

マルフォイは女の子の手をとり腕を調べ始めた。

女の子は腕をとられてもボーっとしているだけで、抵抗しなかった。

腕をめくると上の方はあざだらけだった。

「打てそうなところがないな。」

左腕も調べたが見つからなかった。

「すまん。マグルがやればこの状態でも腕にさせるのかもしれないが、私にはそこまでの能力がない。手の甲にさそう。リーマス体を押さえておけ」

ルーピン先生が女の子の体を固定して

「少し痛むぞ」

マルフォイはためらいなく刺した。

女の子はすこしぎゅっとさせたがその後は泣き止んだ。