黒の皇帝 (ページ2)

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たまにはページ2

───金指side

龍我「おはよー！！！」

浮所「龍我静かに！！！」

藤井「浮所も煩いよ」

楽屋にみんな集まって来た。

そろそろ起こそうかな、と俺の膝枕でスヤスヤ寝ている疾風を見つめる。

龍我「いつから疾風寝てんの？」

金指「迎えの車からずっと寝てるよ」

浮所「寝る子は育つからねえ」

よしよし、と浮所が疾風の頭を撫でた。

藤井「もう育たなくていいと思うよ？？」

龍我「こいつデカいもんな！」

那須「変わらないでしょ」

岩﨑「金指、足痺れてない？」

金指「大丈夫！」

独り占めというと違うのかもしれないけど、疾風を独り占め出来たようで気分が良い。

うちの皇帝は人気者だから常に誰かが近くにいるし、いくらメンバーとはいえ独り占め出来る機会は少ない。

だから、足が痺れようが問題なし！

それに年下である俺が疾風を甘やかせるのってこういう時くらいだし。

那須「そろそろ起こして朝ご飯食べさせて」

はい、と渡された袋を見れば疾風が好きな焼きそばパンと珈琲ゼリー。

浮所みたいに表立って可愛がることはほとんど無いけどたぶん俺達の中で疾風に1番甘いのは那須なんだろう。

金指「疾風、起きて」

声を掛ければピクリと反応して、仰向けの身体が横向きに動いて疾風の顔が俺の腹に埋められた。

『…やだ』

金指「ご飯食べて用意して、時間合ったら寝ていいよね、藤井くん？」

藤井「そうだね、用意済ませられたらいいよ」

『んー……おきる』

ぐりぐりと綺麗な顔が腹に押し付けられてくすぐったい。

浮所「疾風おはよ♡」

龍我「おはよ！」

『はよ、飛貴、龍我』

欠伸を噛み殺して、挨拶がてらにハグをする浮所と龍我に笑いかける疾風。

寝癖ついてるから直してあげよっと。

浮所「今日はずっと一緒だね」

『そうなの？』

藤井「ちゃんとスケジュールの確認しようね」

はあい、と焼きそばパンを口いっぱいに頬張って幸せそうだ。

“皇帝”の異名が似合う人だけど可愛らしいところもたくさんで。

そういうギャップも魅力の1つだけど、俺はやっぱりパフォーマンス中の圧倒的存在感のある疾風が1番好きかもな、なんて思ったり。

そんなこと、恥ずかしいから言ってあげないけど！