Wake up (ページ8)

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森「今回はお前の負けだな！」
　「…さすがにデカい声出すのは恥ずかしいしな。しょうがない。負けたことにしてあげる」
ジ「なんでしっかり負けててその感じでしゃべれるの？」

　駆けて俺らのもとに来たAが腕を組みながら上から目線な感じで言う。俺は慣れてるから何も思わなかったけど、そうだよ。負けたくせになんで上から？

　「…負けたし、しょうがないからなんかおごるよ」
森「今回なにも賭けてないよね？」
ジ「そうだよ。別にいいよ」
　「いいから。負けたし、アイスとか奢るから、あっちに公園あるじゃん？行こうよ」
森「…お前、帰って勉強したくないだけだな？」
　「バレた？いいじゃん！付き合って！お願い！もう勉強したくない！！」

　今さっきまでグリコをしていたやつが言うことじゃないけど、明日もテストがある。でも、勉強したくない気持ちも分かる。

　「ね！？」と手を合わせながら俺とジェシーを見るA。立ち止まりながらそんな話をしていたら春の陽気でポカポカしてきて、それもありかな、なんて思ってしまう。

森「俺、あのソーダのやつね」
ジ「慎太郎のっちゃうの！？」
森「なんかいいかなって。天気いいし。」
　「ソーダのね！ジェシーはどうする？コンビニまでに考えといてよ！」

　俺がのったことで嬉しそうに足を進めだすA。それに後ろからついて行く。

ジ「慎太郎、Aに甘いよね」
森「別に甘いわけじゃないよ。俺だって勉強したくなかっただけ。ジェシーだってそうでしょ？」
ジ「確かに勉強したくないけどさー。…まぁいいや。そういうのもありだよね。なんていうんだっけ、こういうの」
　「童心に戻るってやつでしょ？」
ジ「それ！ってか聞いてたのー？」

　そんな話をしながらコンビニへ向う。俺はいつものソーダ、ジェシーはいちご、Aはチョコのアイスを買って溶けないうちに！と公園に急いだ。

　「まーじで天気いいね」
森「このまま寝れるわ」
ジ「…ゆっくりだねー」

　公園のベンチでアイスを食べ終えグデッとしながらゆっくり話す。マジで寝れちゃいそう。なんてウトウトしていれば、立ち上がって遊具で遊びだすA。俺らの感じに驚くこともあるけど元々はハイテンションなジェシーもすぐにそれに乗る。全力でブランコをする二人を見ていれば俺も混ざりたくなる。

森「A変われよ！」
　「やーだよー！」

　お前が寝ちゃってから、童心への戻り方も忘れちゃった。