Wake up (ページ38)

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　またブブッと携帯が鳴る。しかも連続で。さすがに仕事の連絡だったらまずい、とさっきと同じようにまた手を離そうとする。が、やっぱり離れない。しょうがない、と聞き手と反対の手で携帯を出して画面をつける。そこには何件もの連絡。気付かなかっただけで結構来ていたらしい。

森「…北斗、高地、きょも、ジェシー、樹……」

　他にも高校の同級生とかから来ていた連絡。全部中身はAのこと。「起きた？」「本当に最後にするの？」なんてことばかり。

森「こんなに心配してくれてる人いるんだよ。ほら。」

　目が開いてないんだからその画面を見せたところでわかんないのに画面を目の前に出してしまう。

森「ほら、目開けろって」

　起きてるAなら「邪魔！」って怒りそうなところまで近づける。…画面の明るさで起きないかなって願いを込めて。…そんなことはないってわかってんのに。

　画面をAから離して、返信をしてから携帯をしまう。フッと息を一つ吐く。もう結構ここに座っているし、と一度無理やり手を離し、立ち上がって腰を伸ばす。

森「雪、やんでんじゃん」

　雪が止むくらいここにいたのか、と窓の外を見て思う。…遅くまでいていい、とは言われてるけど、さすがに限度はあるだろう。でも、ここを離れたくなくて、もう一度椅子に座りなおしてAの手を握る。

森「星、綺麗だけど、見ないの？」

　もう一度見上げた空は何事もなかったかのようにすっかり晴れて星が輝いていた。

　時間を引き延ばすかのように、また、思い出した話を口に出す。