Wake up (ページ26)

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　「まじでうれしかった。なんか、慎ちゃんがこんなのしてくれるとか、思ってなかったし」
森「今年プレゼントどうすっかなーって悩んでたらジェシーが派手にやろうって言ったんだよ。それなきゃやってないね」
　「だってあの動画見せた時ちょっと引いてたもんね」
森「バレてた？」
　「バレてるよ。私を誰だと思ってんの！…ジェシーに感謝だなー。楽しかった！」

　楽しかったって、ニッコニコで言うから改めてやってよかったなんて思う。

森「片付け、手伝わせてごめん」
　「これも楽しいし良くない？」

　当たり前のように針で風船に穴をあけてしぼませながら言う。片付けまで楽しそうだし、これもいっか、なんて口角が上がってしまう。

　ごみを入れる袋を探してカバンを漁る。その時、カサッと手に紙袋の感触。…あっぶね、忘れるとこだった。

森「A」
　「ん－？」
森「はい、これ」

　その紙袋を取り出してAに渡す。

　「なに、これ」
森「プレゼント。毎年渡し合ってるじゃん」
　「そうだけど、今盛大に祝ってもらったし、サプライズ的なの自体がそれかと…」
森「いらねぇの？」
　「いる！ありがと！！」

　ニコニコとしながら開け始めるA。…そんな嬉しそうにされると、なんか、恥ずかしい。

　「ほんと、こういうのセンスいいね」
森「センスがいいんじゃなくて、俺らの趣味が合うんじゃない？」
　「それか相手の趣味が分かってるか」

　俺が選んだのはリップだった。ここ数年、化粧に興味出た！とか言って色々買っていたみたいだし、なんとなく、似合いそうな色があったから。

　片付けを放って、鏡に向かって俺があげたリップを唇につける。オレンジというか、赤というか…。朱色って言うのか？俺の直感は合っていたようで、俺的にはAにその色がすごく似合っていたように感じた。

　「めっちゃくちゃかわいいじゃん」
森「似合ってると思うよ？俺の目に狂いはなかった！」
　「さすが幼馴染！ありがと！」

　ぎゅっと嬉しそうに上げたリップを握りしめ、ニコッと笑いながら俺を見る。自分のあげた綺麗な色のリップで唇を染めていて、それを見ているとこっちまでつられて嬉しくなる。サプライズの大変さとか、リップを買うときの恥ずかしさとか、全部どうでもよくなるくらいには。

　で、そのあげたリップを使ってしっかり化粧してるとこ、まだ見たことなかったんだけど。早く見せてくれない？

　