Wake up (ページ23)

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【サプライズ】ページ23

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　なんとなく、覚えていた。しばらく前にAが携帯を見ながら「こういうのいいな」と呟いていた。何かと思い一緒に携帯をのぞけばカップルが記念日を祝ってる動画。

森「こんなん好きなの？」
　「憧れ？みたいな。なんか楽しそうじゃない？」
森「ふーん」

　その時は別に何とも思わなかった。何なら少し「こんなんいいとか思うんだ」って引いたくらい。まさか自分がそれを参考にするとは思わずに。

森「…こんな感じ？」

　片手に持ってる携帯と目の前の景色を比べる。携帯の画面には前にAがいいな、と言っていた動画。

　その日はAの誕生日だった。毎年お互いにプレゼント渡して祝い合うくらいはしてたから、今年もプレゼントどうしようかと携帯を見ながら悩んでいた一週間前。勝手に携帯をのぞき見して俺の話を聞いたジェシーが「もっと派手にいこう」なんて騒ぎ出した。

森「派手にって…パーティーとかしちゃう？」
ジ「いいんじゃない？しちゃおうよ！」
森「最近プレゼント渡して終わり、みたいな感じだったし、ありだな！一週間後誕生日だし…急いで準備すれば当日にできるな」
ジ「どんな感じにすんの？」
森「ん－…」

　二人でSNSだったり、検索をかけたりしながら参考になるものを探す。こういうの女子が盛り上がるイメージだったけど意外と見てれば面白かった。

森「…あ」

　その時に目に留まったのが、あの、Aがいいな。と言っていたあのカップルの動画。それを見せながら「憧れる」と言ってたことも伝えた。

ジ「いいじゃーん！…まだカップルではないけどねー？」
森「まだとか言うな！予定も何もないから！」
ジ「準備くらいは手伝うから頑張んなね」
森「え？ジェシーもやるんじゃないの？」
ジ「なーんで俺も参加なの！二人でいいじゃん！好きな子と二人で誕生日パーティー、よくない？」
森「あいつ多分ジェシーいた方が喜ぶよ。にぎやかなの好きだし。二人ってのは、まぁいいと思うけど、いつもだし？」
ジ「…なんかちょっとマウントされた？でも、まぁ慎太郎がいいって言うならいいよ。行く！」

　そうやって決まったAの誕生日パーティー。放課後にいろんなお店に行って動画を参考にいろいろ買って準備して、ついに当日。ラッキーなことにAは友達と出かけてから帰ってくる、とのことだったのでAのお母さんに事情を話してAの部屋に入れてもらって、そこを会場に準備を始めた。