sound 2 (ページ23)

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　それが誰かの手だというのはすぐにわかった。こんな慰められ方、小さいころ以来な気がして思わず顔を上げる。

高「…あ、ごめん」
　「…ゆ、ごくん」

　こういうスキンシップをするのはジェシーだと思った。だから、その手の主が優吾くんだということに驚いた。…というか、やった本人が変な顔しないでよ。

　「…ごめん、ありがと。ちょっと、落ち着いた」

　自分から私の頭に手を乗せてきたのに、不思議そうな、なんか変な顔をしている優吾くんを見ていたらなぜか少し落ち着いた。その顔を見たからなのか、言葉のおかげなのか、頭にのせられた手の柔らかさのおかげなのか。もうわかんない。でも、なぜだか、落ち着いた。

　まだ鼻はグズグズなるし、乾ききらない涙が残ってるけど、途中だった仕事に戻る。ジェシー達にお釣りを返さなきゃならない。

　「ジェシーも、森本くんもごめんなさい。変なとこ見せて」
ジ「…大丈夫なら、いいんだよ」
森「そうそう。今だけでもスッキリしたり落ち着いたならそれでOK！」
　「…ありがとね。お釣りも、すごい待たせたよね。ごめんなさい」
ジ「いいだって。…んじゃ、また、ね」
　「ん。また。…ありがとうございました」

　待たせてしまったことと、心配をかけたり気を遣わせたり、急に泣き出してしまったりという変なところを見せてしまったことだったり…なんかもういろんなことに対して謝れば、二人は優しく「いい」といってくれる。その優しさにまたなんだか申し訳ない。

　手を振りながら店を出る二人に手を振り返して見送れば、さっきまで目の前にいた優吾くんがいないことに気付く。少し探せば、飲み物コーナーにいるのが見えた。

　…そりゃそうだよ。優吾くん、買い物しに来たんだから。買い物に来て早々、泣いてる知り合いの慰めをさせてしまって…こっちにも申し訳ない。

高「…うん。落ち着いたね」
　「…変なところをお見せしました。この間から、ずっと」

　飲み物を数本持った優吾くんがレジに来る。一度落ち着いたらそれから涙が出ることはなくて、まだ鼻はグズグズ音を立てるけど、涙が出てどうしようもなくなることはなかった。

　…ってこういうのこの間もあったのに。本当に何度もみせて申し訳ない。なんで優吾くんの前だとこうなるんだろう。