閉じ込められた？！第二幕【RKRN】

接吻しないと出られない部屋 伊賀崎 ページ12

リクありがとうございます


ジュンコ〜と部屋一面を探す孫兵。私はそれをひたすら眺めていた。最初に対面してから、部屋を出る前にまずジュンコを探してもいいですか？と断りを入れられた。こんな部屋にジュンコがいるわけない、そう諭しても聞いてくれなかった。


「孫兵、出たら一緒にジュンコ探そう？」


「…探してくださるんですか？」


返事をしながら頷けばパァッと表情が明るくなった。何故かウキウキとした様子で近付いてくる孫兵。こんな場面で言うのは場違いだと思うけど、孫兵の顔ってホント綺麗。


「なら早く済ませましょう」


孫兵と視線がぶつかる。孫兵の大きな瞳は吸い込まれそうだ。孫兵はふっと笑うと唇を押し付けてきた。そのまま舌が割って入ってきた。


私の反応を探るかのように舌が左右に動く。その動きは徐々に大胆になり、遂には私の舌を吸い始めた。絡めて吸う。それを何度か繰り返される。


「まっ、孫兵…ちょっ……ん…」


孫兵の熱を浴びた息が口内に伝わる。激しく脈を打つ胸の鼓動、刺激的な味。どこでこんな事を覚えてきたのだろう、そんな事を考えながらされるがままの時間が過ぎた。



「A先輩って、今まで沢山の方と接吻してきましたよね。誰との接吻が良かったですか？」


「な、なに言って」


「いえ、気になったのでちょっと尋ねて見ました」


「そんなの言えるわけない…」


「って事は、良かった人がいるって事ですか？」


「それは……」



扉を触りながら孫兵は不敵に笑う。
それとも全員気持ち良かったですか？そう告げた孫兵に、顔に熱が集まるのを感じた。



「……図星ですかね？」


「そ、そうじゃないもん…！」


「どうですかね？少なくとも僕は後者に見えますけど」


「もう今回の件は忘れて！ほら、ジュンコ探しにいくよ」


孫兵の腕を掴んで扉を開ける。ジュンコを探しに行く道中、沢山の虫たちに夢中になる孫兵を連れていくのは流石に骨が折れた。

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