14 ページ15
由香里は私の隣に腰を下ろし、スマホを覗き込んできた。
「なぁに?それ。小説が書けるサイト?」
「うん、まぁそんな感じ…。小説とか夢小説、占いとかフローチャートみたいなのが作れる。他の作者の作品も読めるよ」
「へー…。そういえばAは昔から小説を読むの好きだったよね。あと書くのも」
「うん…今もね。」
由香里はへにゃりと笑って可愛らしいノートを出した。
「見て、これノート」
「見れば分かる」
「ちがーう!中身を見て欲しいの!もーついてけないよ!流石、進学校って感じ。英語が厳しいんだよね。赤点まではいかないけど」
ノートを受け取ってパラパラめくる。
難しい単語や長文があり頭がおかしくなりそうだった。
由香里は難しいと言っていたが、普通に解けている。
丸ばかりだ。
羨ましい、なんて密かに思っていた。
「Aは確か英語得意だったよね?教えてよ」
それだけのために呼んだの?と言いそうになった。
久しぶりの再会なのだ。気を煩わせるわけにはいかない。
私は靴で地面に弧を描きながら「社会のほうが得意だよ…」と言った。
「うん、でも英語も出来るでしょ?」
「………それなりには。てか、私より由香里のほうが頭良いんだから_」
「どうすれば得意になれる?教えて!」
少しだけ、否、だいぶイラついた。
勉強に熱心なのはいいが、話してる途中に遮るのはどうなのだろう。
私は小さくため息をつき、落胆した。
「文法さえ覚えとけばいいよ。そして単語をその形に置き換えればいいだけ。」
「覚えれないのー!その文法が。中学の頃もto不定詞とか関係代名詞とか、チンプンカンプンだったもん」
「受け身とかもでしょ?大体は過去分詞形とか過去形、原形だけど…。」
めんどくさいので適当にアドバイスをする。
唯一の友達にこんな塩対応でいいのだろうか。
「Aは簡単そうに言うよねー、羨ましいよ…」
「……」
私は何も言わず、小さく微笑んだ。
579人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒兎 - いや、途中からワンチャン、あーもんど以外みんな犯人なのでは?と思いましたがまさか本当にあーもんど以外犯人とは…。ガチで考えさせられるお話でした…。ネットっていいとこもありますが、怖いとこもありますね…。 (12月3日 17時) (レス) @page50 id: 635396ef9e (このIDを非表示/違反報告)
東方の人 - いやぁ…ネットって怖いですね…もうちょっと続きが読みたい…まさか共犯者だとは。あーもんどは共犯者じゃなかったのか…めっちゃ面白かったです。続編読みたい (12月3日 11時) (レス) @page49 id: c42377ac9e (このIDを非表示/違反報告)
人間失格者 - 気になってみていたら読み切ってしまいました。文才がありすぎますし・・・。声が出ないです。それと同時に「いじめのこわさ」も知れました。高評価しますね。 (12月3日 7時) (レス) @page50 id: 160b940a6c (このIDを非表示/違反報告)
如月蛍(プロフ) - いやぁ、、、末恐ろしいですね、作者さんが…なんかもう、ほんとえぐいです。描写はリアルすぎるし、なんかもう泣きたくなりました。 (12月2日 20時) (レス) @page50 id: f21139aa84 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 飴利(プロフ) - フィクションだと知ってすごく驚きました!荒らされたことはあるのですが、そこからの仲間割れという恐ろしさ、とっても勉強になりました! (12月1日 7時) (レス) id: bd79476487 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ