其ノ陸 優一郎ノ涙-05- ページ5
「あ、あ、えと、みんなに知らせてくる!!」
与一は逃げるようにして病室から去っていった。
与一の背中を眺めながらAはこう言う。
「与一ってほんとに男なのかなー…
めっちゃ可愛いじゃん。」
警戒心なんて言葉はAの辞書には無いらしい。
少なくとも、仲間には本心をさらけ出しまくっている。
「……Aっていつも刀と一緒だよな。」
優一郎は視線を下げた先にAの大太刀があったためポツリと呟いた。
何気なくAに聞く。
「ああ、不知火と皇のことか…」
Aは優一郎に視線を映すと、左肩から右腰に掛けていた大太刀を鞘ごと外す。
続けて短刀をなにもないところから出す。
流れ作業のように平然とベッドの上に置いた。
「友達だしね。離れたくないの。」
Aの大太刀と短刀を見つめる目には、期待と希望、嬉しさなど、様々な色が写っていた。
言ってしまえば、依存性すらも感じられる。
「それに、一人の時とかつまんない時とかは話し相手になってくれるし。」
「……え、まじ?」
「まじまじおおまじ。」
Aはコロコロと笑う。
優一郎は自分の刀を見つめて真剣な顔で、
「阿朱羅丸…その、あー…、おまえ、ショートケーキ好きか?」
そう言った。
なんでそれをチョイスした。他にもいうことあるだろう…
Aは瞬時にそう思ったが口には出さなかった。
優一郎は話しかけた刀を耳につけ、目を閉じるが特に反応しない。
__傍から見れば変質者だよ。
Aはこれも、口にはしない。
何秒か過ぎた頃、優一郎は耳から刀を放すとAを真っ直ぐに見つめ、
「………………返事こねぇぞ。」
落胆した声で言った。
Aは思わず吹いてしまった。
吹いた後も、変わらず笑い続ける。
「無視されたんじゃない?あーあ、等々鬼も優ちゃんに呆れたかぁ…」
悪びれることもなくAは言う。
優一郎は怪訝な顔をするとAに鋭い眼光を向けた。
「なんでおまえと鬼はそんな仲いいんだよ。」
「友達だからだってー」
Aは笑いながら不知火と皇を見つめた。
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にゃん(ΦωΦ)(プロフ) - 続編が見つからないです。。。 (2020年11月28日 13時) (レス) id: 83c24e29ff (このIDを非表示/違反報告)
しゅー - 続編のページが見つかりません… (2020年3月30日 10時) (レス) id: d2ac7696ab (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 続編おめでとうございます。これからどうなるか楽しみです、更新頑張って下さい。応援してます (2016年7月3日 14時) (レス) id: cb3c3b9b5b (このIDを非表示/違反報告)
minori♪(プロフ) - 雨音さん» 応援していますψ(・ω´・,,ψ (2016年1月10日 0時) (レス) id: fc9269d5d6 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - minori♪さん» ありがとうございます!合格してきますね! (2016年1月10日 0時) (レス) id: 4732783237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨音 | 作成日時:2016年1月2日 20時