苺大福神 ページ8
カラ、と扉が開きました。
砂色コートとボサボサの黒髪、長身の痩せた男性が、夜の闇を背負っています。
「こんばんは、<い つ も の>お願い」
「はいはい、<い つ も の>ね。毎度あり」
皆さん、騙されないで下さい。
コイツら初対面です。
何ですか、<い つ も の>って。
「違う。<い つ も の>だよ。<い つ も の>じゃない」
そんな注釈。
違いが分からないのは、作者の文才のせいではありませんので、そこんとこヨロシク。
「本当に面白い店だ」
「ん?この店のこと、誰かから聞いたの?」
「うん、国木田君から。彼とは職場が一緒でね。私は太宰。少し店内を見ていっていいかい?」
もう既に見て回ってますけどね。
断る理由は無いので、栗子さんは何も云いません。
太宰さんは、
「これが国木田君が買っていた『ぱんぷきん饅頭』か」
と、まだ置いてあった饅頭の前で立ち止まったり、
「あ!!これ、完全○殺読本!!私、この間なくしてしまったのだよねぇ」
と、レジ近くに置いてあった本に手を出して、語り始めました。
「この本は、本当に素晴らしいと思うよ。具体的にはまず((」
[作者と栗子しか入れない異空間にて]
「あの人ヤバいって!!ヤバいってヤバいって!!」
そうですね。
でも、栗子さんあーゆー本持ってたんですか。
「違う!!あれはこの間、店の前で拾ったの!!絶対太宰さんのでしょ!!あんなの読む人太宰さん以外いないって!!」
さいですか。
「信じてねぇだろ」
信じてますよ。
「兎に角、あの本返して早く店から追い出して!!作者の特権使っていいから!!この話おわらせる!!」
タイトル詐欺になりません?
.
「私的には、この本p78がお薦めだね。とても良い入水方法だ。特に(以下略)」
「そんなに気に入ってるならあげるよ」
「本当に!!じゃあ遠慮せずに……」
太宰さんは、本を受け取りました。
「おや、もうすぐ予定の時刻だ」と、太宰さんは言いました。
「云ってないよ?」
「じゃあこれで。本、ありがとう!!」といって、扉を開けました。
「開けてないよ?」
パタン、と扉がしまります。
「閉めてないよ?」
………。
太宰さんはその後、メキシコのサボテンに全身刺され、唯一の治療法を求めて中国の秘境(ツアー有。某駅から徒歩3分の旅行代理店に問い合わせ下さい)の奥にいるという幻のヴァヴァア(注:自称広瀬す○似)へ会いに行く為に背筋を鍛え始めました。
「違うけど」
何ッ………
「私はあらゆる特権を無効化する」
クソッ打つ手無しかッ……
「楽しんでんだろ」
さーせん
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ユキ(プロフ) - 応援してます! (2020年10月2日 1時) (レス) id: 92966b4d55 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - 心愛さん» ありがとうございます!!私も書いてる最中えづらこさんの妨害を受ける事がありますww終わる終わる詐欺でよかたぁああああa(蹴 (2018年9月20日 19時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - とても面白いです!話が全然関係ないのですが、栗子と聞くと銀魂の、片栗虎がでてくr((蹴 (2018年9月18日 16時) (レス) id: 61e72eddf1 (このIDを非表示/違反報告)
2丁目のひきこもり(プロフ) - さくっとチョコレゐトさん» ありがとうございます!!店主二人の和やかな感じ、私も好きです。更新頑張ります!! (2018年1月21日 10時) (レス) id: e7f710c5d0 (このIDを非表示/違反報告)
さくっとチョコレゐト(プロフ) - すごい好きです。このゆるい感じが何ともたまんないです。お気に入りしました!楽しみにしてます! (2018年1月21日 0時) (レス) id: 17f3b0bb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2丁目のひきこもり x他1人 | 作成日時:2017年11月21日 21時