種_2 ページ13
父「じゃあ、行ってくるな」
母「出かけるときは気をつけてね」
次の日、2人はいつものように仕事に向かった
俺の家は割と城から遠く、2人とも自家用車での通勤だった
「いってらっしゃい!」
いつも通り元気に2人を見送り、道場に向かう
一礼して足を踏み入れ、バケツと雑巾を用意して掃除を始める
道場は神聖な場
常に気をもち、清潔にと昔から父に言われていた
そこそこの広さがある道場は掃除だけでも時間がかかる
俺は小さな体を動かし、念入りに2時間かけて終わらせた
一礼して道場を出た後自室に戻って机に向かい、勉学に励む
自分もいずれ幕府に仕える身、学がなければどうしようもない
昼まで机に向かい、終われば昼食をとる
自炊はもうお手の物だ
昼食を終えれば再び道場に向かう
一礼して道場に入り、竹刀を2本取って膝をつく
『
気を鎮め、周りの音に集中する
庭の木の葉がひとつ舞ったところで、目を開けた
「___はぁっ!」
竹刀を一振りすれば、ひゅん、と風を斬る音が鳴る
その音が好きだった
自分の息遣い、風の音、それらすべてを一身に感じられるこの瞬間が
俺が願えば、体はその通りに動いてくれる
体を自由自在に操り、思うがままに剣を振るう
右に、左に、上に下に
途中置いたままにしていたもう一本の竹刀を足で拾い上げ、左手に持つ
身にかかる負担も、風を斬る音も倍になる
前に、後に、さらに敏感になる
身をもって感じる快感に、夢中で動き続けた
稽古後、再び掃除をしてから道場を出る
そして夕食をとり、少しのんびりする
「…2人とも、遅いな」
いつもならとうに帰ってきているはずの両親がいない
仕事で遅くなっているのかな、と息をついたときに、玄関から派手な音が聞こえた
何事かと、そちらに足を進める
すると、バタバタとこちらに駆け寄ってくる足音がした
反射的に身構える
しかしその姿が確認できるようになると、俺は力を抜いた
今のは車のドアを閉める音だったのか
「ははう、」
母「_____逃げなさい!」
「え?」
いつもとへ違う、切羽詰まった表情の母がそこにはいた
母「いいから逃げなさい!この家から今すぐ!」
俺は母が言っていることの意味がわからなかった
「どういうことですか?」
そして、もう一度外で音が鳴った
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たじま太郎(プロフ) - 燐さん» http://uranai.nosv.org/u.php/novel/totetumona1/ パスは下の名前だけ! (2018年7月14日 17時) (レス) id: cf213f116d (このIDを非表示/違反報告)
たじま太郎(プロフ) - 燐さん» おけまる (2018年7月14日 17時) (レス) id: cf213f116d (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - たじま太郎さん» ...お願いしてもよろしいか? (2018年7月14日 7時) (レス) id: 33ba259d9b (このIDを非表示/違反報告)
たじま太郎(プロフ) - 燐さん» せやな!どっちつくる? (2018年7月14日 1時) (レス) id: cf213f116d (このIDを非表示/違反報告)
燐(プロフ) - たじま太郎さん» だっ大丈夫だよ!!!!覚えてるよ!さ、ちゃっちゃとやんないと運営さんから注意されちゃうよ!!!! (2018年7月13日 23時) (レス) id: 33ba259d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燐 | 作成日時:2018年3月19日 9時