【伊東歌.詞太郎】あざとい系彼氏の、取り扱いセツメイショ【歌い手】

取り扱いセツメイショ16 ページ18

そして、その日曜日はすぐにやってきた。


大荷物を抱えながら街を歩く私は、ものすごく目立っているだろうがそんなの気にしない。


私がふと顔を上げると、男が1人近づいてくるのがわかった。





『歌詞くん！』


「ここまでしか来れなくてごめんね？本当は家まで迎えに行きたかったんだけど...」





そう言って申し訳なさそうな顔をする彼は、あざとい。


更に私の荷物もわざとらしさなしで持ってくれているのだから、尚更だ。





「いやー、Aが泊ってくれるなんて、嬉しいな！」


『そこまでじゃないでしょ』


「嬉しいからっ！」





そう、彼が前言っていたのは、私が彼の家に泊まりに行く、という内容だったのだ。


しかも1日ではなく、3日。


祝日があるのをいいことに、わざわざこの日を選んだに違いない。


賢い人はこれだからズルいのだ。


だけどまぁ、彼とゆっくりすごす時間も好きだからいいや、なんて思ってしまう。





「コンビニで飲み物だけ買ってっていい？」


『うん、いいよー！』





確か、徒歩5分くらいのところにあったはずだ。


私も軽く何か買っていこうかな...。





・





【彼の部屋に行ったら、いつもより甘えてもいいかな、なんて】

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