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7日目 ページ9

あれから数日たった。
俺は自分で歩けるようになり、ようやく病室から出ることが出来た。


木本は毎日俺の病室に来て騒いでいた。

追い出そうとしても持ち前の無自覚天然でかわされ、しかし意外と空気が読めるのか、俺が疲れた時か、婦長が呼びに来た時に出ていく。

案外悪くねぇなと思いながら、自販機で飲み物を買うと、俺の周りに沢山のガキが群がっていた。


「ねぇおじさん」
「おじっ」
思わず口の端がヒクヒク動く
俺はそこまで老けてねぇ

「その手首のって」
「あ?」

すっかり腕に馴染んだ赤が見える。

「死神に会ったの?!」
キラキラした目で見られる。この目は得意じゃねぇ

「お、おう」
「「「いいなぁー」」」

「205号室の子も貰ったんだって」
「知ってる知ってる」
「死神どんなやつなんだろ?」

コイツらは木本Aが赤い紐を渡しているのを知らない様だ。

彼らの話はこの病院には死 神伝説があり、もうすぐ死 ぬ人に赤い紐を渡すらしい。渡された人は死んでも寂しくならない。ただし死神の正体を明かした人は殺 されるらしい。

「ねぇ!死神ってどんな人だった!?」
「あ?あのなぁ・・・」




「ねぇ、何をしてるのかなぁ?」



突然背後から声が聞こえた。
まるで気配が感じられなかった。
最近は討ち入りや稽古をしていないとはいえ、俺は新選組副長だ。背後を取られるなんて・・・
コイツは本当に入院患者なのか?


「おっ皆で仲良くお話し?私も交ぜてよ!」
「あっAだ!」
「Aお姉ちゃんでしょ!!」

うりゃうりゃあとガキの頬を引っ張っている。

「痛てぇ痛てぇ!しっ死 神の話だって!」
「そっかぁ楽しそうでいいね」

ふわりと微笑まれて嬉しそうなガキども、が、





「死神の話は赤い紐を持っている人としちゃダメって言ったよね?」

すぐに口元は笑っているのに目が冷えきっている怖い笑顔に変わった。
ゾクリとする殺 気とともに。

ガキどもは勿論、俺も飲み込まれた。

「「「ご、ごめんなさい」」」

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作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時

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