3日目 ページ5
女と目が合ったまま止まった空気。
どうやってこの空気を壊そうかと焦りだした時、
女の形のいい唇から
「あり?」
と、気の抜けた声が聞こえた。眉を下げて困った顔をしている。
「あのー・・・」
「んだよガキ。用がねぇなら自分の部屋に帰れ。」
ようやく消えた変な空気に安堵して女から目をそらす。
ったく何の用だよ。
俺ぁガキが苦手だ。
この鋭い目が大抵怯えさせ、荒い言葉で泣かせることもしばしば
それに沢山の人を斬 ってきた汚れた俺はなるべくまだ綺麗なガキを汚したくない。
静かな女の様子が気になり、ちらりと見るとやはり俯いて小さく震えている。泣かせちまったか。めんどくせぇ・・・
「ほら、さっさと帰「違う・・・」」
「あ?」
泣いていると思っていたガキが勢いよく顔を上げ、
「違ーーーーーーーう!!!こちとら成人済みだぁーーーーーーー!」
「うるせぇーー!!」
「どっちもうるせぇーー!!また木本Aかぁー!!今日は何処だー!?」
思わず叫んだ俺の声に続いて太い女の声が響く。
ぴくっと反応した女はそのまま俺の傍により、
「ちょっと隠れさせて。婦長さん怒ると怖いの」
と舌を出しながら言った。
頼むから出てけとは言おうとしたが、女______
もとい木本Aがパイプ椅子をマイペースに広げるのを見て諦めた。
「で?えーとなんだっけ?」
んー?と考えるポーズをとってアーモンド型の目をくるくる忙しそうに動かして考える。
こいつ・・・ふざけてんのか?
思わず青筋がたちそうになった。
仕事と万事屋の野郎と総悟以外では初めてかもしれない。
「あっそうだった!!」
ポンっと手のひらを叩く。
やっとかよ
早く終わらせろよ。
すうっと息を吸う音がよく聞こえた。
「誰がガキだーーーーーー!?」
「またそれかァーーーーーーーー!!!!」
流石にツッコんだ。
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作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時