31日目 ページ33
総悟side
Aさんの第一印象は彼女には悪いが、
‘ガキっぽい ’だ。
子供と遊んでやっているようで遊ばれている。
天真爛漫 低い身長 言動 などなど。
年上とは思えないほどだった。
だが、土方さんの病室で会い、えぐいイタズラや、割とズバズバ言うところに好感が持てた。
コイツは、土方暗 殺に使えそうだと。
初めはそれだけだったが、彼女のふと見せる儚い表情、虚ろな目が、姉上を思い出す。
全然似てねぇってのに。
姉上は、もっと上品で、大人しいし、綺麗だ。
俺はどんだけ姉上が好きなんでさぁ
そんな姉上とAさんを重ねるなんて
だからさっきのAさんの寿命があまりないと聞いて、柄にもなく焦っちまった。
この世は本当に理不尽で、俺の大事なモンばっか奪っていきやがる。
奪うなら土方コノヤローの命もっていきやがれぃ
薄情だ。と思われるだろうが、俺は姉上が亡くなってから1度たりとも泣いていない。
いや泣けない。
理由なんてもんありゃしねぇが、泣けないのだ。
この痛む胸も泣いたら少しは楽になるのだろうか
「スパン!!」
ずっと俯いていた俺は、音のした元を見る。
「そーごくん」
真っ直ぐな目は、俺を見ていた。
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作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時