9日目 ページ11
木本Aの部屋はあっさり見つかった。
どういう訳かこの間のガキどもも木本Aと仲の良いバァさん達も知らないらしいらしいが
入る決心を決め、ドアを開けると、誰もいない。
「あっ、とーしろだぁ。いらっしゃーい」
ビクッ
また背後を取られた。
クスクスと楽しそうに笑う木本を睨むと、ごめんごめんと笑いを引っ込める。
「どーぞ」と通された部屋は生活感のない部屋だった。唯一の私物と思われるものは、1本の刀だった。
「お前・・・これ」
「ん?あぁこれ?刀だよ?」
「知ってるわ!!」
?となっているコイツのボケは素なのだろう
ココ最近で分かった。
「この子はね、人からもらったもので、私の愛刀なんだよ」
少しさやから出して刀身を見ている。
一目でよく手入れされているとわかるものだ。
「今は廃刀令が出てるだろう。」
「知ってるよ。とーしろは私のこと捕まえる?」
「お前、俺が警察って知ってるのか?」
「だってちょっと前に何とか条例で逮捕するって言ってたもん」
コイツはぼうっとしているようで鋭い。
「お前がこれを使っているって言うならそうするが?」
「どーだろうねって言うか私の名前!!とーしろいっつもお前とか言うもん!Aだよ!A!!」
リピートアフタミーと勝ち誇ったような笑みを作って言われる。
「・・・・・・A・・・」
「よく出来ましたー」
わしゃわしゃと背伸びして頭を撫ぜてくる。
くそっまたペースを崩された。刀の話も上手くそらされた。
「とーしろ真っ赤ー」
ふふっと笑われるのにイラッとくる。
どうやって仕返ししてやろうか
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時