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「ほーん、つまり私はナルシストと」
「…」
憂う様な眼差しを遠くに向けて
両頬を手で包んで楽しく茶番を行う私を、
哀れむ様に眺めるヤコが否定する。
「…要するに、その対象を思い続ける事、
故の孤独、悲しみ、温かな恋という感情の隙間に見える冷ややかな裏、
それがあんたの言う孤悲ってものなんでしょう？」
私とは違う理解。別の視点。
私の言うことを正しく理解している言葉に、
コクコクと頷く。
「あたしが言いたいのは、正しく、あんたは七番に恋してるんだろうけど
あたしには、昔の七番という少年が側にいるあんたを、
つまりはAという少女を遠くに置いて、勝手に悲しくなって
七番が恋したのが前のAであると、勝手に孤独になって
それがまるで、前のA達を思う感情が嫉妬に近い孤悲の様だってこと」
…な、るーほど？
中々に難しい事を言われたが、
ヤコが言いたいのはつまるところ
「私は私に孤悲してると」
「原点回帰」
人間って本当に面倒な生き物ね。
フンっと鼻で笑うヤコに不機嫌さは見当たらず、
むしろ言いたい事が言えて、
スッキリしたと言わんばかりの清々しさが見て取れる。
「分かったっちゃあ分かったんだけどさー、
花子の方が好きなのがこの私とは限らないじゃん？」
「何でこう、あんたは馬鹿で鈍感なのかしらね」
あたしは愚かで好きだけど。
ぽそりと呟いた声が聞こえず 何？ と聞くと
何でもないわよ と返されて、その代わりに続きがいらした。
「いい？あいつが好いたのはあんた
違う人間として別の人生生きようが何だろうが、
同じ魂、同じ人間、すなわち同一人物に他ならないでしょうが」
肉球のついた小さな愛らしい手で私の額を突きながら言い切る。
暴論の様にも聞こえる言葉だが、
正論と取れてしまうのは長年生きた人外の貫禄からだろうか。
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さくら(プロフ) - 月ヶ瀬@猫さん» 秀麗だなんてそんなとんでもない…ありがとうございます！今後も頑張っていきますので、今作をどうぞよろしくお願いします！ (2020年2月28日 7時) (
レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬@猫 - さくらさん» すごく秀麗な文章に圧倒されました……もう私語彙力無さすぎ……これからも更新頑張って下さい！ (2020年2月28日 0時) (レス) id: 579741ae87 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - さくらみるくさん» いえいえお気になさらず！美しいだなんてもったいないお言葉ありがとうございます！冒頭の日常を切り取った文章はまさに『美しい』を目指して書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです！そのお言葉で明日からも更新頑張ります (2020年2月26日 21時) (レス) id: f3613561c3 (このIDを非表示/違反報告)
さくらみるく - 夜分遅くにすみません、さくらみるくです!!もう毎度のごとく美しい文章...そして可愛い夢主ちゃん...全てが私の好みです...。これからも応援してます！更新頑張って下さい〜！ (2020年2月26日 21時) (レス) id: babdecb30b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら x他1人 | 作成日時：2020年2月11日 22時
