初恋相手は花子さんやってました。

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「あー！！」

急に、今思い出したと言わんばかりに叫ばれる。
変わらずステップを踏み続けながら そうそう とつかさは言う。

「今度、あまねに会いに行こうと思って！」

…今爆弾投下してきたぞこいつ。
いや、威力は水素爆弾辺りまで行きそうだがそうではなく。

何と言った？普に会いに行く？？
兄とはいえ自分を殺した相手に会いに行く？？？
正気を疑う発言だが、つかさには久方ぶりの兄との再会の喜びしか見えない。
まるで幼子…精神年齢自体はそのくらいで止まっていそうだが。

だが、いくらつかさが良くても、普はどうだろう。
確実につかさの事を引きずっている普が、
今つかさに会えばどうなる？しばらくは荒れそうだ。
家を訪ねた時に泣き付かれた事を覚えている。

…そもそも、普はつかさがここにいる事を知っているのか？
知っていれば相談ぐらいはされそうなものだが。
幼馴染ゆえその辺の信頼はあるだろう。自信がある。

しかし仮にこれまで存在を明かしていなかったとして、
数十年経った今になって何故つかさは普に会いに…

「A？Aー？？」

足が止まっていたらしい。
手はいつの間にか離されていて、顔をペチペチと叩かれていた。
今度は優しく、手加減されていた。

「あーごめんごめん」

「モー」

思考に没頭し過ぎていた。
気が付けば日が沈み、夜空が既に広がっていた。
お菓子食べれないネー とつかさは夜空を見上げて言う。

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